長いスティックと大きなかばんを抱え、健康的に日焼けした女子塾生を学内で頻繁に見かける。慶應ラクロス部女子の部員だ。創部30年の今年度は、渡邉ひかり主将(法4)と浅野玲子副将(環4)がチームを率いる。

写真左が渡邉さん、右が浅野さん
写真左が渡邉さん、右が浅野さん
10連覇がかかった早慶ラクロス定期戦だったが、今年は敗北。両者とも「本当に悔しい。もっと一人ひとりがやれることがあったし、もっと貪欲になれた」と話した。今回の敗北を契機に、どれほどチームを改善させ更なる向上を目指せるかが課題であり、それは今後の自分たちの努力に掛かっていると話した。





男子と同様、パイオニアとしての誇りは忘れない。「先駆者としてどうラクロス界に貢献するか」を常に意識し、部員が主体となって練習メニューやチームの組み立てを熟考している。目標は「日本一」になること。「日本一」というのは、全日本選手権の優勝だけではなく、毎年開催される3大大会すべてで頂点に立つことを意味する。最後に「日本一」の座についたのは2‌0‌1‌2年度。現役の部員は、学生トップの経験はあっても、「日本一」という頂からの眺望は未知である。目標達成のため、個々が「慶應分の1」として、自らができることを考え、精を出す。

先駆者としてこだわるのは結果だけではない。昨年は男子とともに中学生以下を対象にラクロス教室を開催し、競技の伝播に力を注いだ。より多くの人にラクロスの醍醐味を味わってほしいという確固たる志を感じた。
(三谷美央)

慶大ラクロス部 創部30周年特集