頬をかすめる風を温かく感じられるようになったある春の陽気の午後、雨の予報にも負けず、日吉キャンパスには日差しが柔らかく降り注いでいる。そこにグローブを片手に美しく栗色の髪を靡かせる美女がいた。今月のキャンパスアイドル、商学部2 年の関口かれんさんだ。
早慶戦特別号ということで、慶應カラーをイメージしたブルーのTシャツに身を包み、「運動音痴がばれちゃう」とこぼしながらも、こちらが懇願したキャッチボールを快諾してくれた。シンプルな服装が彼女の美しさを存分に引き立て、ボールを投げる動作一つ一つに目が奪われる。新緑の鮮やかな日吉キャンパスに可憐な花が咲いたようだ。(かれんさん、だけに。)
ところが、その華やかな容姿に反して、自分のことを「オヤジ女子」と揶揄して笑い飛ばす。そんな彼女の悩みは意外にも男友達が出来ないこと。「みんなに怖がられてしまって、話しかけてもらえない」と困り顔。これをお読みの男性諸君、キャンパスで彼女を見かけたら気軽に声をかけ、女神に振り返ってもらおう。
しかし、バイト先はオシャレでイケてる人の代名詞のような銀座の某洋服店。さらに、お父様はイタリアンレストランやワインバーなどを経営する実業家で、彼女は正真正銘の社長令嬢なのだ。将来の夢は会社の経営を継ぐこと。彼女が商学部で勉学に励んでいる理由も納得である。きっと美人社長として世間の注目を集める日も近いであろう。
2歳の頃からクラシックバレエを習い、過酷な練習にも耐えてきた。彼女の無駄がなく美しい、引き締まった身体はその努力の結晶だ。バレエから教わったのは、「努力は必ず報われる」ということ。その言葉を真摯に信じ続けてきた。拒食症に陥るほどの厳しい減量にも耐え、「報われなかった努力ってあったかな?」と小首をかしげた彼女に一本筋の通ったしなやかな強さを感じた。
最後に、スポーツの出来る男性をどう思うかと聞くと、「素敵だと思う。スポーツやっている人の方がいいな」という回答。まだサークルを迷っている新入生諸君。運動系のサークルはモテへの近道かもしれない。
(かまじょ)
撮影 岩崎有沙