ラグビー全早慶明戦が4月24日に秩父宮ラグビー場で開かれ、新体制となった慶大は今年度初となる早大、明大との試合に臨んだ。この試合は東日本大震災・熊本地震復興支援チャリティーマッチとして、慶大、早大、明大で活躍した現役選手とOBが、各大学のユニフォームをつけて総当たりで戦う大会だ。慶大チームには明本大樹選手(横河武蔵野アトラスターズ)、岡健二選手(セコムラガッツ)、金子大介選手(キヤノンイーグルス)、川村慎選手(NECグリーンロケッツ)、関東申峻選手(釜石シーウェイブス)、佐藤耀選手(NECグリーンロケッツ)、竹本準太郎選手(サントリーサンゴリアス)、増田慶介選手(東芝ブレイブルーパス)、和田拓選手(キヤノンイーグルス)がOBとして参加した。

大会の初戦は早慶戦。両チーム気合が入るなか、開始1分、慶大はFB丹治(政2)とWTB小原(総2)が素早い連係でゴールラインに駆け込みトライ。キックもSO和田が確実に決め、7点を先制する。ここで勢いにのりたい慶大だったが、敵陣ゴールライン直前などでのミスが目立ち、その後は得点をなかなか挙げられず苦戦する。双方もどかしさが表れてきた開始32分、慶大はモールでドライブされ、初トライを許す。チームには焦りが見え始めたが、早大はゴールキックを外し、7―5で試合が終わるかに見えた。しかしロスタイム、早大の粘り強い攻撃で自陣前に追い込まれた慶大はペナルティを取られる。早大はショットを選択し、キックを決め、7―8。早大にロスタイムで逆転負けを喫した。

両試合でトライした小原
両試合でトライした小原
続く明大戦。慶大は明大に先制トライを許したものの、その後は終始流れをつかみ、SO古田(医2)、SH中鉢(経4)、CTB増田、小原、丹治がトライを決める。古田、CTB堀越(総3)もゴールキックを決め、試合は33―5で慶大が圧勝した。

今回の試合はOBの圧倒的な実力が目立つ試合となった。一方で若いメンバーも積極的にボールを運ぶなど、随所に良さが目立ち、今後のチームの新しい方向性が見えてくる一面もあった。



持ち前の低く刺さるタックルも健在で、取り組んできたディフェンス力の向上は、試合結果にしっかりと反映される形となった。一方で、ボールキャリーなどアタックは課題もあり、シーズンの幕開けとしてトレーニングの成果と課題がわかる試合となった。
(野澤昂至)