入学時に自宅に届いた段ボール箱の中に入っていた教養研究センターの冊子には目を通しただろうか。日吉キャンパスでひと際異色を放っている建物、来往舎で行われている少人数講座の数々が紹介されている。 今回はこちらにプレゼンテーションコンペティションの様子が取り上げられているアカデミックスキルズに焦点を当て、昨年度のコンペティション委員の3人に取材をすると共に年度末まで受講していた25人にアンケートを行った。

アカデミックスキルズは全部で4クラスあり、各クラス多少内容は違うものの、各々が好きなテーマを設定し半年かけて論文とプレゼンテーションを作るカリキュラムになっている。

講座の中で一番大変だったこととして半数近くが課題提出をあげている。毎回授業の前日までにクラスのメーリングリストに課題を送信することになっており、1週間で出される課題は論文2‌0‌0‌0字など分量が多い。受講者には体育会と両立している人もいるものの、他の授業中や通学中などを課題に充てていたようだ。また三田祭直前など忙しい時には睡眠時間を削って課題をこなした人も多かった。

課題の多さもあって秋学期にはクラスの3割以上がやめてしまうこの講座を続けられた理由として、半数が自身の負けず嫌いな性格をあげている。また文系学部から理工学部、医学部、薬学部まで日吉に所属する他学部の意識の高い学生と共に、少人数で授業を受けられる環境に魅力を感じていたことも挙げられている。中には「これまで受けた講義の中で一番やりがいがあり一つぐらい頑張ろうと思った」という意見が複数みられ、かけた時間だけ力がついていることを実感していたようだ。講義を通じて得られたこととしては、資料を探す力が挙げられており、他の講義のレポート作成にも役立っていたようだ。

最後に今年度日吉に所属している学生にアカデミックスキルズをお勧めするか聞いてみると、9割以上が「はい」と回答した。中にはもう一度履修したいという声もあったこの講義、ガイダンスだけでも出てみるのも良いだろう。
(小宮山裕子)

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