アカデミック・スキルズの2015年度プレゼンテーション・コンペティションが2月5日、日吉キャンパス来往舎シンポジウムスペースで行われた。
アカデミック・スキルズは教養研究センターが主催する少人数セミナーで、学部を超えた約80人の学生が通年にわたり自分で設定した研究テーマに取り組んでいる。
今回のプレゼンテーション・コンペティションでは3つのクラスから選抜された6人の学生が教育から文化、歴史にわたる多岐の分野でそれぞれが関心を持って研究をしてきたテーマで、日本語による15分間のプレゼンテーションを行った。
英語クラスから選抜された2人による発表では、食塩摂取量と同性婚をテーマに流暢な英語によるスピーチが行われた。発表の後には質疑応答の時間も設けられ、来場者からの鋭い質問にも発表者は的確に回答し、綿密に研究してきたことが伺われた。
その後は「身体知・映像」講座の受講者による発表の時間も設けられ、撮影から出演まで全て学生の手によって作成された15分間ほどの映画「君というアネモネ」が上映された。残念ながらもう1つの作品「夢現」は機械の不具合により上映できなかったが、今月6日上映会が催される。
最後には論文とプレゼンテーションの審査結果が発表された。事前に選考され会場に展示されていた論文部門の受賞者が発表され、当日のプレゼンテーションでは来場者による投票が行われた。
プレゼンテーション部門の金賞には土谷零さん(理2)、銀賞には保泉空さん(政1)、銅賞には河田航佑さん(経2)と石川萌子さん(法2)が選ばれた。授業を担当した教授は講評で、「自分が書いた論文を数年後に人がどう読むのか意識しながら今後も頑張ってほしい」と述べた。
受賞者の発表内容は次の通りだ。
土谷さんは重度障害者用意思伝達装置において、自分の声が用いられることの有効性を理論的かつ実証的に説き、その普及に補助金が支給されるべきだとした。
保泉さんは美術作品について深く考察するVTS教育がもたらす効果を紹介し、それを日本で仏像鑑賞教育に応用し教育現場に導入すれば、若者の宗教に関する理解を深められると提言した。
河田さんは少子高齢化社会での無人タクシーの必要性をグラフを用いて説明し、そのための法整備についても言及した。
石川さんは歌舞伎に女優がいなくなったのは、歌舞伎界内外からの歌舞伎改革と伝統的な古典芸能という認識によるものだとした。
少人数で切磋琢磨 アカデミック・スキルズ