体育会
人が、何かに一生懸命になる姿は美しい。慶應義塾体育会は常に勝利を目指して日々鍛錬を積んでいる。新年企画として、体育会の精鋭たちが一堂に会し、「勝負」をテーマに語りあった。

参加者は写真左から、フェンシング部新副将の武田仁さん(商3)、ソッカー部新主将の宮地元貴さん(総3)、野球部学生スタッフの鶴田圭佑さん(文3)、卓球部の増田雄一さん(環2)、スケート部ホッケー部門主務の山下礼さん(政2)。 

勝負前の過ごし方

宮地「前日の夜ご飯は『おもや』(日吉にある定食屋)に行ってしっかり食べます。あとはよく寝ることですね」
一同「確かに!」
増田「卓球は会場の盛り上がりの中、ひとりで戦うスポーツなので、試合の直前には音楽を聴いて集中を高めています」
武田「フェンシングの剣の整備をすることと、あとは決まった音楽を聴くことですね。SPEEDの曲は普段だとあまり聴かないのですが、試合の前は必ず聴いています」
鶴田「選手の頃は、疲れない程度にランニングなどをして体を温めていました」
山下「日吉に住んでいる友達と元住吉にあるカレー屋さんでご飯を食べます」
宮地「知らなかった。ぜひ行ってみたいですね」
山下「僕の定番はチキンカツです」
一同「へ~!勝てそう」

「勝負強い」人とは

山下「ここぞという時に、得点できる人です。得点が入るとチームの雰囲気も大きく変わります」
宮地「パフォーマンスが安定している人です。サッカーはある程度役割が決まっているので、そこで日頃の練習が積み重ねられている人は、勝負の瞬間でも力を発揮できると思います」
鶴田「野球でとにかく大事なのは『流れ』です。出るだけで流れを変えられる人がいるチームは強いと思います」
増田「最後の瞬間まで思考を止めない人です。速いスピードのラリーの中で勝ちたい気持ちが先行してがむしゃらになるのではなく、その気持ちを抑えて最後まで考えながら戦える人は強いです」
武田「逆境でも落ち着いて普段通りプレーできる人は勝負に強いですね」

思い出に残る『大一番』

武田「昨年の学生王座決定戦が印象的です。強豪を相手に残り一本得点を取られたら試合終了、という絶体絶命の状況だったんですが……なんか勝ちましたね(笑)」
一同「おお~!」
武田「51年ぶりの優勝がかかっていて、部員全員が応援に来てくれたのも大きかったですね」
鶴田「なんと言っても一昨年のリーグ戦優勝が決まった早慶戦です。やっぱり早稲田に勝つ、というのは意味合いが大きいですね。あれから3シーズンが経ってしまいましたが、次の春のリーグ戦ではまた、優勝を掴み取りたいです」
増田「昨年8月の早慶戦が印象的でしたね。ずっと負けていた早稲田との差が、ようやく縮まったような感覚をつかむことができました」
山下「昨年の入れ替え戦、残り時間2分のところで逆転勝利して残留が決まった試合です。最後まで諦めずに戦い抜くことができました」

勝負に欠かせない応援

鶴田「応援指導部が盛り上げてくれる試合はやっぱり気合の入り方が違いますね」
山下「アイスホッケーを始めてから、女の子とスケートデートをできる日を待っているんですが……」
一同「やっぱり女子からの応援はモチベーションにもつながります!」

「今年の抱負」で書初め

山下『笑』「どんな試合展開になっても、最後は勝って、笑顔で終われるような、悔いのない試合をしたいです」
増田『新』「今年のチームは、4年生が主体だった昨年のチームとはガラッと雰囲気が変わったので、心機一転、『僕らがNEW慶應卓球部だぞ!』という気持ちで頑張っていきたいです。新しい技術も身につけていきたいです」
鶴田『勝』「昨年活躍した4年生が引退し、個の能力はまだ低くても、試合運営なども含めて全員で勝利を目指して頑張っていきたいです」
宮地『本気』「僕たちの代のサッカー部のスローガンです。関東リーグ優勝・日本一・早慶戦優勝の目標に向かって、毎日の練習を怠らず、常に『本気』で取り組んで、ぶつかっていきたいです。また選手だけでなくソッカー部が全員で一丸となって、一つ一つの試合を『本気』で戦います」
武田『克己』「昨年、自分の長年描いていた目標を達成することができてしまったことで、前ほど試合に対して集中できなくなってしまいました。今年は常に貪欲である続けることと、自分に負けないということを掲げて練習に励みたいです」

終始和やかな雰囲気の中で対談は行われ、彼らの普段の試合とは異なる表情を見ることができた。今月中旬には卓球の全日本選手権、16日には早慶アイスホッケー定期戦がある。「勝負」に挑む彼らを間近で応援することのできる絶好の機会である。今年もまた、慶應義塾体育会の大きな飛躍に期待したい。(平沼絵美)