慶應義塾大学は、今年4月から、英語(または、その他の外国語)による授業を一定単位取得した学生に対して、修了証を与えるプログラム「GIC(Global Interdisciplinary Courses)」を開始すると発表した。

プログラムは全ての学部学生が受講できる。GIC科目には、基礎科目であるコア科目と、専門科目であるリサーチ科目があり、2016年度は約300の授業が開講予定だ。コア科目は主に日吉キャンパスと湘南藤沢キャンパス(SFC)で、リサーチ科目は各学部の専門課程や国際センターで開講される。両者合わせて40単位以上取得すれば、修了証が授与される。

プログラム設置の背景には、2014年に慶大が文科省より「スーパーグローバル大学」に認定されたことがある。国際的かつ学際的に活躍できる人材の育成を主たる目的として、学生と社会からのグローバル教育のニーズに応えた形だ。

慶大にはすでに国際センターや経済学部のPCPなど、英語で専門教育レベルの内容を扱う授業は存在するが、今回のGICコア科目は、どの学部に所属していても十分に理解可能な一般教養レベルの授業を行う。

英語のレベルに応じたセレクション等もない。さらに、GICでは「アカデミック・リテラシー」という学習言語としての英語力養成を目的とする授業も開講される。所属学部や各自の英語力とは関係なく、すべての人が履修できるという点がGICの強みだ。GICセンター長の鈴村直樹経済学部教授は「英語に苦手意識を持っている人もGICの授業を積極的に履修して、自らの可能性を広げてほしい」とコメントした。

履修者が授業の映像をネットで閲覧できるようにし、学習の一助とすることも検討されている。また、学生と教員双方から授業アンケートを実施することで、プログラムの質の向上を図っていく予定だ。GICセンターがグローバル教育プログラム整備のひとつの拠点となっていくことが期待される。