ラグビーの第42回全国大学選手権が開幕し、十二月二十五日までに二回戦が終了した。00年以来の全国制覇を果たしたい慶大は、初戦の京産大戦に僅差で勝利したものの、秩父宮ラグビー場で行われた二回戦の早大戦に敗れ、夢は断たれた。なお、四強には同大、法大、関東学院大、早大が出そろった。準決勝は一月二日、決勝は一月八日にそれぞれ国立競技場で開催される。

 12月18日 1回戦 ○
 【慶大17-15京産大】 

早大戦
 12月25日 2回戦 ●
 【慶大8―26早大】

 対抗戦で早大に歴史的な大敗を喫していた慶大は、背水の陣でこの試合に臨んだ。結果は負けだったものの、慶大は存分に早大を苦しめた。

 スクラムなどのFW戦で早大が優位に立った前半は対抗戦で対戦した際のハイライトとなった。

 早大は17分にSH矢富のトライが決まり先制すると、その後も着実に加点していった。慶大も粘りを見せ、37分にFB小田のPGが決まってようやく3点を返す。しかし「あれが無ければ展開が違っていた」(松永監督)トライをロスタイムに許してしまう。前半は、慶大の18点ビハインドで終了した。

 ところが、早大優位のまま進んでいくかと思われた後半は、対抗戦とは異なる展開となった。後が無くなった慶大は全員攻撃に転じ、これが成功。試合終了間際に途中出場のCTB山田が鉄壁の『ワセダの壁』を切り裂き、意地のトライをもぎ取った。守っては早大の攻撃をFB五郎丸による1トライに抑えた。後半のスコアは5ー5と、早大相手に互角の戦いを演じた。

 結局試合には敗れ、松永新政権下での今季の慶大蹴球部の戦いは終わった。今年も、念願の『打倒早稲田』はならなかった。だが、この試合の善戦で得たものは大きいに違いない。

 「力はついてきている」。学生最後の試合を終えた竹本主将の顔に、涙は無かった。