【プロフィール】 慶應義塾大学法学部法律学科卒。90年、日米合作映画『クライシス2050』でハリウッドデビュー。映画・ドラマ・舞台・ラジオ等で幅広く活躍中。その後、映画祭への取り組みから文化庁文化発信部門長官表彰受賞。内閣府・世界で活躍し『日本』を発信する日本人の一人に選出。第1回岩谷時子賞奨励賞受賞。第63回横浜文化賞受賞。
【プロフィール】
慶應義塾大学法学部法律学科卒。90年、日米合作映画『クライシス2050』でハリウッドデビュー。映画・ドラマ・舞台・ラジオ等で幅広く活躍中。その後、映画祭への取り組みから文化庁文化発信部門長官表彰受賞。内閣府・世界で活躍し『日本』を発信する日本人の一人に選出。第1回岩谷時子賞奨励賞受賞。第63回横浜文化賞受賞。

法学部法律学科ゼミナール委員会主催講演会
11月22日(日)13時30分~15時(13時開場)
三田キャンパス 南校舎ホール(5階)



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塾生時代に舞台俳優デビューを果たし、卒業後まもなくハリウッド映画へ出演。現在は俳優に加えラジオナビゲーター、国際短編映画祭の主宰まで務めあげ、国内外で幅広く活躍中。まぶしすぎる背中を持つ先輩が、今年の三田祭にやってくる。

俳優業を軸として活躍する別所氏は在学中、学内の英語會(KESS)というサークルに所属していた。演劇部門で活動し、幹部の年にはリーダーも努めた。アジア最大級規模の大会である「四大学英語劇大会」で3連覇を果たした功績は、今日まで語り継がれている。

幼い頃から「将来は海外で働きたい」という漠然とした夢があり、大学では「使える英語」を学ぶ目的でサークルを選んだ。そうして始めた舞台だったが、観客の表情を見るうち人を感動させる楽しさに目覚めたという。今の頼もしい英語力もその中で育まれたものだ。「舞台で上手く話せないと悔しくて、沢山練習しました」

俳優業は慶大からの進路としてはやや特殊な道だ。思い切った決断をした当時、不安はなかったのか尋ねると「当時はバブル真っ盛りで、友人たちも大半が大手商社など企業にどんどん就職していった。だからといって自分のやりたいことを考えずにみんなと同じことをしていたら、やはり後悔していたと思います」

義塾の魅力
慶應の魅力は、「長い伝統の中で培われた知の集積があるが、それに寄りかからないリベラルな面(自由さ)もあること」だという。しっかりとした「型」が存在した上で、それを破ることが許されている。「既に基礎が築かれているからこそ、それを打ち壊す『型破りな人間』を育てることも出来るのだと思います」

支えにしている言葉は、「一生オーディション」。どんな道を選ぼうと、そこで終わりではない。大切なことは日々自分が試されているという緊張感を持ち成長しようとすることだ。将来の進むべき道はどれかと迷う学生は多い。しかし10年後を確実に保証されている道はどこにも無いだろう。自分に備わった「考える力」が頼りになる。

最後に「学生のみなさんには、『!』と『?』をたくさん持って欲しいですね」と話した。別所氏自身も、道の途中で出会った『?』に何度も立ち止まり、自分の『!』に従って歩んできた。その結果として今なお世界で輝き続ける先輩の言葉は、これからの道に悩む塾生の胸に重く響くのではないだろうか。
(上山理紗子)