学内の掲示板を見ると、これから行われるさまざまなイベントのポスターが貼られていることに気づくだろう。それらのイベントを主催する団体の一つが日吉行事企画委員会「HAPP」だ。

HAPPは、慶大教養研究センター内に設置されている委員会で、日吉を中心にイベントの企画を行っている。近年までは三田に比べ日吉キャンパスでは塾としてのイベントが少なかった。そこで15年ほど前に舞踊イベントを開催したことが始まりだ。来往舎が完成した2002年に組織化した。

塾生が見ることのできるHAPP主催のイベントは、主に春学期に行われる新入生歓迎行事だ。毎年新入生を中心に、来往舎内で舞踏や講演会など多彩な行事を開催している。また、体育施設を知ってもらおうとプールの開放も行っている。

先月開かれた「最後の吉原芸者の記録」展示会の様子。一般人も多く訪れた。―日吉来往舎にて
先月開かれた「最後の吉原芸者の記録」展示会の様子。一般人も多く訪れた。―日吉来往舎にて
HAPPのイベントの参加のしかたは、「見に行く」だけではない。自分で行事を「企画し実行する」こともできる。それが秋に開催される公募企画行事である。HAPPでは大学生・大学院生および教職員から、日吉キャンパス内で行うことを条件に4月からイベント企画を公募している。審査を経て採択された企画には25万円までの補助が出る。毎年演劇や展示、講演会などが開催されている。




公募企画には「日吉キャンパスをあらゆる人のためのコミュニケーションの場として発展させる」という一貫した理念があり、塾外の地域にも開かれている。そのため、内だけでなく外に向いている企画が採択されている。

また同時に、HAPP委員長の石井明教授によると、同制度は企画から実行までのプロセスを踏むことによって「学びを得られる場」だという。「何かをやりたいと思った時、それを形にする機会を与えている。創造力を生かし、新しいユニークな試みを生み出していくことで、より良いキャンパスへの一役を担いたい」と話す。

今秋の公募企画行事には、これから開催されるものもある。来月1日(火)にお笑い芸人として活動している高松奈々さん(総4)による「たかまつななの笑えて学べるニュース~国際協力編~」が、12日(土)には又村実穂さん(環3)企画の古典落語と演劇のパフォーマンス「芝浜」が行われる。ともに入場無料だが、高松さんのイベントはウェブサイトから事前申込が必要だ。

見学・企画の両面から参加できるHAPPの行事。あなたのまだ知らない「学びの場」がそこにある。
(青木理佳)