―業務内容
読売新聞社の業務は大きく3つに分かれます。取材活動や記事執筆を行う記者職、収入を支える業務職、紙面制作やマルチメディアのシステムを開発する技術総合職です。職種別採用のため、自分がやりたい職種を選ぶことができます。記者はもちろんのこと、他の職種の社員も皆、国民の知る権利を守っている、ジャーナリズムを下支えしているという誇りを持っています。
―業界の雰囲気
企業によっても異なると思いますが、自由でざっくばらんな雰囲気があると思います。世間では、「堅い」というイメージを持たれがちですが、実際のところ建前を嫌う「自由闊達」な雰囲気にあふれています。
上司・部下の関係であっても表面的な関係に終始することはありません。面白いアイディアであれば、年齢にかかわらず採用しますし、社員がやりたいことを自由にできるような風潮があります。
―求める人材
採用の基準として、特定の人物像があるわけではありません。多様性を大切にしたいと思っています。ただし、実践の場でその人の持ち味を活かしたいので、人柄の良さは必要です。
例えば、記者の場合に重要なのは、取材相手に信頼されることです。今風に言えばコミュニケーション能力ということでしょうが、ただ話せればいいわけではなく、じっくりと信頼関係を築けるような力が求められます。
基本的に人物本位で採用しているため、面接を重視しています。学歴は関係ありません。
また、採用試験の途中で支局体験をしてもらうなど、ミスマッチを防ぐよう、工夫しています。納得して入社する社員が多いので、当社の入社後3年離職率は5%前後と、たいへん低くなっています。新聞社の最大の財産は人材なので、人材には投資を惜しみません。
―採用傾向
読売新聞社では、2007年の夏からインターンを行っています。このインターンは採用に直結しているわけではありませんが、参加者の内定率はかなり高いです。インターンを経験して社会への関心が高まり、社会人となる心構えが培われるからでしょう。
また、新聞社というと男性社会のイメージがあると思いますが、新入社員の約4割は女性が占めています。女性が働きやすいよう、仕事と家庭の両立支援にも力を入れています。結婚・出産で退社する社員はほとんどいません。
―就活生へのアドバイス
まずは、新聞を読んでください。テレビやインターネットだけでは足りません。新聞という質の高い報道に日々触れることで、深い、ものの見方が養われます。新聞社を目指すかどうかにかかわらず、社会に対し、関心を持つことが大切です。
聞き手=西原舞