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曇りがちな空の下。冬の兆しを感じさせる冷たい風が三田の丘を吹き抜ける。南館7階のラウンジに逃げ込みしばらく待っていると、今回のキャンパスアイドル、武内陶子さんが少し緊張した面持ちで現れた。
色白で謙虚な彼女の佇まいは人形と見紛うほどだが、意外にも彼女の所属サークルはロックである。大学入学後、えらんだのは慶應Beatles研究会。家にあったエレキギターを手に練習、定期的に行われるライブで演奏に臨んできた。好きなBeatlesの曲は「A Taste of Honey」。「ボーカルのコーラスが綺麗で気に入っています」と微笑む。
この夏には短期でオックスフォード大学にも留学した。「日本語と同じように、英語を喋れるようになりたい」と参加したプログラムには「とにかく楽しかった」とコメント。「建物も綺麗で、映画『ハリー・ポッター』に出てくる食堂のモデルなどに感動しました」と目を輝かせる。
母校のフェリス女学院では料理部の部長を務めたという武内さん。趣味はもちろんお菓子づくりだ。今も少なくとも週に1度はお菓子をつくっており、研究と試行錯誤を続けているという。
「私は見た目と写真映え重視で、出かけたときに食べて『いいな』と思ったパンケーキなどを真似てみたりしますね。できたものを一眼で撮影してInstagramにアップするのが趣味です(笑)」
彼女の「作品」の写真を見せてもらうと、そのクオリティの高さに驚く。なんと美味しそうなことか! 洒落たパンケーキ屋のメニューさながらの出来栄えに、触発された私はその日のうちにパンケーキを食べにいったほどだ。ファッションでやっているのではない、彼女なりの「美」を追求する姿勢が垣間見られる。
お菓子づくりのどんなところが好きか尋ねると、「お店みたいなものが自分で作れると嬉しいし、自分好みのわがままがきく。あとやはり自分で食べておいしいところです」と、「全部のせ」な返答。研鑽結果がそのまま自分へのご褒美になるとは、実においしい趣味だ。
ずばり、「お菓子づくりの極意は?」と聞いてみた。しばらく考え込むと、ひとこと「片付けは母任せ!」。ズッコケるスタッフ一同。このわがままと奔放さが彼女の魅力を引き立てているのだろう。いつの間にか空も晴れて、きらきらとした日差しが差し込んでいた。
(ギロッポン・TATSUYA)