サッカー前節では明大を逆転勝利で破り調子付いたかに思われた慶大だったが、続く神大戦で引き分けると、第8節リーグ早慶戦では最下位に沈んでいた早大相手に敗れる。続く中大戦では、多くのチャンスを迎えるも決められず引き分けた。しかし桐蔭横浜大戦では新戦力の活躍もあり、勝利を収めた。現在リーグ3位と良い位置につけている慶大は迎える前期最終節を勝利で終われるか。
(阿部統・笠原健生・安田直人・八木理志)

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神大戦 先月5日 △0-0
窮地しのぎ引き分ける

試合のあった横須賀は強風で、前半風下でのプレーとなった慶大は我慢の展開が続く。風に乗って伸びる相手のロングボールと、今季ここまで2得点を挙げていた神大FW鈴木の突破に苦しみ、幾度となく決定的なピンチを招く。しかしバーに救われるなど何とか無失点で前半を切り抜けた。

後半に入ると慶大は風上の利を活かそうと縦への速い展開で速攻を仕掛ける。しかし相手の勢いを止められず、DF溝渕(環3)やMF松木(総1)が再三突破を試みるも神大ゴールを割ることが出来ない。試合終了直前にはあわや一対一という場面をDF宮地(総3)が気迫のディフェンスで阻止。宮地はこのプレーで退場となるが、終始厳しい展開の試合を無失点で終えた。

首位流経大が順大に敗れたたため暫定首位に立つ貴重な勝ち点1となった。


早大戦 先月9日 ●0-1
最下位に手痛い敗戦

伝統の早慶戦、スタンドも多くの観客で埋まる中、今シーズン不調の早大に手痛い敗北を喫してしまった。

前半14分、早大のスローインから左サイドを崩され、フリーでシュートを許す。GK宮原が好セーブをするも、こぼれ球を押し込まれ失点。その後も早大ペースが続き慶大ゴールを脅かされるシーンが目立った。

得点がほしい慶大は後半、MF端山を中心に前半より相手陣内に攻め込む。後半だけでコーナーキック7本を得るが、守備固めを行う早大相手に決定機を作れず。慶大は交代のカードを切るも、得点にはつながらずそのまま試合は終了した。

試合後、須田監督は「試合は前半で決まっていた。次の試合に向けて練習あるのみ」と語った。


中大戦 先月16日 △1-1
圧倒するも痛恨のドロー

これまでのフォーメーションを変えて5バック体制となった慶大。

序盤、中大ペースで試合は進むも、5バック体制が功を奏し、危ない場面を作らせない。しかし、ペナルティエリア内でシュートをブロックしたDF溝渕(環3)がハンドの判定をとられ、PKから先制点を許す。その後もリズムを作れず前半を終えた。

後半9分に慶大はフリーキックのチャンスを得ると、これをMF端山(総4)が蹴り、DF望月(環3)が戻してからFW山本(政3)が決めて同点に追いつく。さらに30分にはPKのチャンスを得るが、相手GKに阻まれ逆転のチャンスを逃す。

最後まで多くのシュートを放った慶大だったが、決めきることはできず試合終了。3試合ぶりの勝ち点3を取れず、痛い引き分けとなった。


桐蔭大戦 先月23日 ○2-1
流れ掴み勝利を奪取

第6節の明大戦以来勝利から遠ざかっている慶大は、今季最下位に沈む桐蔭横浜大に勝利したことで貴重な勝ち点3を獲得した。

序盤から試合は動いた。前半3分、PKのチャンスを得ると、これをFW山本(政3)が落ち着いて決め慶大が先制。 その後も慶大の勢いは止まらない。右サイドから攻撃を組み立てると、エリア内でパスを受けたM小谷(環1)が鮮やかにゴールを決め、開始10分で2点のリードを奪う。小谷は初スタメンでリーグ初得点をあげた。

しかしその後は桐蔭大に押し込まれ、苦しい展開が続いた。その最中、36分に1点を奪われ前半を折り返した。後半に入ると終始膠着した展開が続いたが、集中した守備で追加点を許さず、慶大が2―1で逃げ切り勝利した。

久々の勝利となった今回の試合で1ゴール1アシストの活躍を見せた山本は、試合後のインタビューで「結果を出し、チームの勝利に貢献できて嬉しい」と喜びを語った。