4連覇達成も選手に笑顔見られず

第84回早慶レガッタ対抗戦が先月19日、隅田川で開催された。最終種目の対抗エイト(9人乗り、3750㍍)では試合終了後、早大が失格判定を受けたことで慶大が勝利。早慶レガッタ対抗戦で4連覇を達成した。通算成績は、慶大の39勝44敗、同着1。

終盤、追い上げを見せる慶大端艇部
終盤、追い上げを見せる慶大端艇部

慶大は墨田区側のインコースを走行。だが新大橋上流でのスタートで出遅れ、早大に半艇身のリードを許す。「前半、思うような展開にならなかった」と吉田航主将(政4)は後に振り返る。慶大は落ち着いた漕ぎを見せるも、全ての橋において早大にリードされる。その差は蔵前橋で特に広がり、一艇身強の差をつけられる展開となった。後半の懸命な追い上げも実らず、差を付けられたまま、早大が先に桜橋にゴールした。

しかし両者がゴールした後、舵手の米澤一也(政3)が抗議。審判の赤旗が上がり、審議が行われることとなった。ビデオ判定などの審議の結果、早大クルーが言問橋下流にて、指定されたレーンより内側を通過していたことで、距離不足と判定。コースルールにて、早大は失格となった。これにより、試合は慶大の勝利となった。今回のようなケースは、早慶レガッタ史上初めてのことである。

レース後のインタビューで、小澤祐資監督は「スタート地点から、うまくいっていなかった。結果は結果として受け入れて、夏にしっかりと決着を付けたい。」と語った。吉田主将は「公式には一応勝敗はついた結果になったが、実力的には負けていた。夏の大会でしっかりと決着をつけたい。また、この一戦はあいまいなまま終わってしまったので、来年の選手には、はっきりとした勝利を掴んでもらいたい」と、試合には勝利したものの喜びの表情は見られなかった。
(玉田萌)