東京六大学野球春季リーグが先月11日に開幕した。2年連続の春季リーグ制覇を目指す慶大は、開幕カードの法大戦では連敗を喫するも、打線が息を吹き返し、第3週の明大戦では勝ち点を獲得するなど、復調の兆しを見せている。5月2日現在、勝ち点1の慶大は、首位奪還に向け、共に勝ち点2の法大と未だ無敗の早大に対して怒涛の追い上げを見せることができるか。(池田勇輝・高野祐也・日沖翔大)
法大戦①先月11日●0―1
開幕戦を勝利で飾れず
春季リーグ開幕戦となった法大との第1回戦は、慶大は先発の加藤拓(政3)が7回1失点と好投するも、0―1の完封負けを喫した。
慶大は1回裏、安打と四死球で二死満塁とチャンスを広げるが、6番沓掛(商3)が三振に倒れ慶大はこの回無得点。さらに慶大は4回にも安打と四死球で2死ながらも満塁とするも、9番加藤拓は三振で好機を生かせず。試合が動いたのはスコアレスで迎えた4回表、法大中村の適時打で1点を失ってしまう。
その後も6回に二死満塁、7回には無死満塁のピンチを迎えるも、先発の加藤の要所を抑えた投球と味方の堅守で得点を許さない。
この試合、再三チャンスを作った慶大だが、法大先発の1年生左腕森田を前にあと1本が出ず、チャンスをものに出来なかった。1点が遠かった慶大は0―1で開幕黒星スタートとなった。
法大戦②先月12日●3―4
先制守れず痛い連敗
打線がつながり試合は終始慶大ペースで進むもサヨナラ負けを喫し、開幕カードを負け越した。
4回表、慶大はダブルスチールで二、三塁とすると沓掛(商3)の適時三塁打で2点を先制。
5回裏にスクイズで1点を返されるも、両投手の投げ合いで慶大1点リードのまま9回を迎える。9回表、無死一、二塁の大きなチャンスに慶大はここまで好投の三宮(商4)に代打・山口(環3)を送るも三振、続く打者も三振で二死。無得点では終われない慶大は2番・梅野(環4)が意地を見せ、右越適時二塁打で1点を追加することに成功する。
しかし、この試合最大の山場は2点リードで迎えた9回裏。抑えの加嶋(商4)が安打と四球で満塁とされると法大・柴田の右前適時打で同点、これを右翼手・谷田(商4)がまさかの失策。場内がどよめく中、相手走者が一掃し3―4と痛いサヨナラ負けを喫した。
明大戦①先月25日○8―5
待望の今季初白星
法大戦の連敗で何としても白星がほしい慶大は、明大との第1戦を見事白星で飾った。
4回表に明大が先制するが、その裏慶大は横尾(総4)のホームランで同点とすると、続く5回には谷田(商4)らの適時打で一挙に7点を奪い、勝ち越しに成功する。8―1で迎えた9回表、慶大の加藤拓(政3)は、二、三塁にランナーを置くと、捕逸の間に1点を失う。更に佐野恵に適時打を浴びてピンチを広げ、続く小倉に四球を与えた所で8回まで1失点と好投していた加藤が小原大にマウンドを譲る。
しかし慶大は悪い流れを断つことが出来ず、暴投と内野ゴロの間に2点を失い、この回4点を失う。しかし小原大は後続をしっかりと打ち取った。5回の大量得点を守りきった慶大は8―5で今季初白星を挙げた。
明大戦②先月26日●0―7
流れ掴めず大差で敗北
前日にリーグ戦初勝利を上げ、連勝で勝ち点を奪いたい慶大であったが、明大相手に投打ともに振るわず0―7で敗北を喫した。
慶大の先発は三宮(商3)。3回までは明大打線をノーヒットに抑え込むなど三宮は前回の登板同様、順調な立ち上がりを見せる。
三宮を援護したい慶大打線は3回表、先頭の梅野(環4)がセーフティーバントを決めて出塁。相手の守備の乱れもあり無死二塁とする。その後、一死三塁と先制のチャンスを迎えるが、北村(商3)の三ゴロで梅野が飛び出してしまい、タッチアウト。好機を逃してしまう。
すると4回裏、明大は2塁打と送りバントで1死三塁とチャンスを作りだす。遊ゴロの間にランナーが生還し、慶大は先制点を与えてしまう。
6回裏には菅野の適時三塁打と押し出しの四球で2点を失い、さらには高山の左スタンドへの満塁本塁打で0―7とされ、慶大はこの時点で試合を決められてしまう。
何とかしたい慶大打線であったが、明大の投手リレーの前になす術もなく零封されてしまった。
明大戦③先月27日○2―1
接戦粘り貴重な勝ち点
1勝1敗で迎えた明大第3戦。優勝への望みをつなぐには勝利しかない慶大は横尾(総4)の2点本塁打と投手3人の粘投もあり、2―1で勝利。勝ち点を1とした。
慶大の先発を任されたのは明大1回戦で好リリーフを見せた小原大(環3)。小原は毎回スコアリングポジションにランナーを背負う苦しいピッチングであったが、3回無失点と粘投を見せ、試合を作る。
4回からは前日先発をした三宮(商4)が登板。こちらもランナーを出しながらも、きっちりと要所を締め、五回途中まで無失点に抑える。
5回、二死二塁の場面で慶大はエース加藤拓(政3)をマウンドに送る。加藤はこの場面を切り抜け、6回まで明大打線を無失点に抑える。
粘投を見せる投手陣に応えたい慶大打線は6回、無死二塁から4番横尾がレフトスタンド中段に特大のアーチを架け、ついに先制に成功する。
追いかける明大は続く7回一死三塁から竹村の適時打ですぐさま1点差につめ寄る。
最終回にも一死二塁と明大は同点のチャンスを迎えるが、加藤が踏ん張り慶大が2―1で明大に競り勝った。