関東大学ラグビー対抗戦は終盤戦に突入。開幕4連勝と波に乗る慶大は、帝京との一戦に惜敗したものの、続く明治戦では完勝ともいえる勝利を飾り、依然好調をキープ。11月23日には秩父宮ラグビー場で、伝統の『早慶戦』が行われる。対抗戦一位の座をかけた戦いで、学生王者の早大にどれだけ慶大が迫れるかが注目される。
 
 十月二十三日 秩父宮 ●
【慶大20―27帝京大】
開幕4連勝と波に乗る慶大だったが、この日は格下と目された帝京相手に苦戦を強いられた。
慶大は、前半7分にWTB明山(総2)のトライで先制したものの、6分後には帝京に追いつかれ、試合は序盤から出入りの激しい展開となる。2点ビハインドで迎えた後半、慶大は攻勢を仕掛け、次々とチャンスを作るが、肝心の得点が奪えない。逆に、帝京はカウンターから2トライを奪い、試合を決定付けた。
 竹本主将「FWが押し切れなかったし、BKも生かせなかった。まだ二試合あるので、そこへ向けて頑張りたい」。

 十一月三日 秩父宮 ○
【慶大48―7明大】
 前節の帝京戦では僅差の末、手痛い敗戦を喫した慶大であったが、この日は攻守共に見事な連係を見せ、伝統の『慶明戦』を大差で制した。
この日の勝因は、粘り強いディフェンス、その一点に尽きる。「チームとして意識が統一されていた」(WTB山縣副将)の言葉通り、大学屈指の強さを誇る明大FW陣に対しても、決して怯むことなくスクラム勝負し、また幾度となくおとずれたピンチも、NO・8竹本主将を中心に『魂のタックル』と呼ばれる低く力強いタックルで、シャットアウトし続けた。
「これでようやく早稲田にも意識してもらえる」。試合後、冗談交じりにそう語った松永監督。この一戦で、監督も確かな手ごたえを掴んだ様子であった。