商・総合政策学部の人気高まる

2015年度慶大一般入試の出願が先月22日に締め切られ、今月3日、志願者数が確定した。全体志願者数は前年と比べ954人増の4万3352人となり、6年ぶりに増加に転じた。ただし、目立った増加が見られた商学部と総合政策学部以外の学部では、総じて志願者数が減少している。理系学部の人気は継続している。                   (小林良輔)

今年度の一般入試は2月10日の薬学部から始まり、3月1日の医学部2次試験までの間、計12日間行われる。合格者は19日から3月5日にかけて順次発表される。

今年度の慶大一般入試の変更点としては、試験日程の変更と商学部の募集人員が減少したことがあげられる。

試験日程はほとんどの学部が2日前倒しになり、経済学部と商学部は4日前倒しになった。一方で文学部と法学部は昨年度と変わらないため、一部で学部の順番が変更になっている。

また、商学部の募集人員は昨年度に比べ、A方式では560人から480人の80人減、B方式では140人から120人の20人減となり、合わせて100人の減少となっている。

全体の志願者は昨年度の4万2398人から4万3352人と954人の増加となり、薬学部が設置された2008年度以来の増加となった。要因としては、商学部と総合政策学部への大幅な志願者増加があげられる。「特に商学部に関しては、他学部と比べて大学で学ぶことが将来の仕事に直結するイメージが受験生にはある。そのイメージによる人気の高さが今回の増加につながったのではないか」と慶大入学センターは述べている。

文系学部の志願者数は学部ごとに偏りがあり、商学部の志願者はA方式、B方式合わせて786人増加した一方、その他の文系学部はほぼ変化はなかった。また、経済学部のA方式では志願者減少が目立つ。

理系学部では多くの学部で若干の減少があったものの、大きな変化は見られず、依然として高い倍率を維持している。理工学部の志願者は志望学門に応じて多少のばらつきがあり、学部全体としては減少した。昨年度より志願者が約50人増加した看護医療学部をはじめとして、資格取得が可能な医学部や薬学部の人気は続いている。医学部は今年度の入試から、一般入試成績上位者10名に対して1人あたり年間200万円(4年総額800万円)を給付する大型奨学金制度を創設する。

環境情報学部は昨年度とほぼ変わっていないが、総合政策学部では志願者が昨年度比で501人増加した。カリキュラムの大部分を共有していることから「双子の学部」と称される両学部は、例年は志願者数に大きな差がなく、700人ほどの差が開いた今年度は異例と言える。

慶大入学センターは今年の入試について、「経済的負担の面から地元志向や国公立志望はいまだ根強く、さらに、今年度は学習指導要領の変更に伴い、全国的に浪人生が減少した。首都圏の私大には厳しい状況の中、全体の志願者数が増加したのは健闘と言えるのではないか」と述べている。

なお、今年度から学習指導要領が変更となったが、数学および理科については旧教育課程履修者に配慮した出題が各学部で行われる。