日本ラグビー女子監督が講演

「スポーツコーチングの技術を上げたい」という想いから、塾生によって組織された「スポーツコーチ連盟」が団体初の活動として、第1回目の講演会を先月17日に開催した。

三田キャンパスの体育会本部で開催されたこの講演では、早大ラグビー部のコーチなどを務め、現在は日本女子ラグビーの監督である有水剛志氏が、コーチングを語った。選手に徹底的に向き合う、選手が主体的に動けるように御膳立てするなど自身の経験をもとにコーチングのポイントを講演した。中学校や高校などで学生コーチを務めている塾生を中心に13人が参加。講演後は有水氏のもとに個別相談に行く人も後を絶たず、「講演会で学んだことを、実際に自分のチームでも取り入れてみたい」と参加者が語るように収穫の多い講演会となった。

「スポーツコーチ連盟」とはどのような団体なのか。代表の小林忠広さん(法4)は現在、慶應義塾普通部および中等部のラグビー部でコーチを務めている。そこで指導をする中で、今の自分には、選手のパフォーマンスを強豪校のレベルにまで向上させるコーチングができないという悔しさや限界を感じた。ほかの競技を指導するコーチ仲間に相談したところ、コーチングに関して同じ壁にぶつかっているとわかり、彼らとともに「スポーツコーチ連盟」を立ち上げた。「コーチングに伸び悩む人は自分以外にもいる。学び、シェアすることのできる場所を作りたい」と小林さんは話す。

今回はラグビー関係者による講演が行われたが、「ラグビーだけではなく、あらゆる競技に普遍的なコーチングや指導法にフォーカスして実施したい」と言う。今後、「参加者が試行錯誤を繰り返し、それをシェアするワークショップのような活動をしていきたい。次回の講演会は、コーチ志望の高校生や教授の参加も予定されている。塾内や大学生だけではなく、プロのコーチも巻き込むことで、日本のスポーツコーチングの風通しを良くし、日本のスポーツの競技力向上に貢献できれば」と小林さんは語った。  (増田絢香)