インサイドに切り込む権田(法4)
インサイドに切り込む権田(法4)

昨年より順位を上げる

1部リーグ戦を8位で終え、ノーシードで第66回全日本バスケットボール選手権大会(インカレ)に挑んだ慶大。初戦の札幌大、2回戦でシードの法政大を倒し、ベスト8に選出を決め、1月のオールジャパン出場権を手にした。しかし、ベスト4を懸けた大東大戦に敗れ、慶大の悲願である日本一には届かなかった。その後、慶大は順位決定戦も敗れ、最終順位は8位でインカレを終えた。(森俊貴・中澤元・平沼絵美)

【札幌大戦】先月25日 ○92―61 得点を量産 大差で勝利

インカレ初戦の相手は札幌大。立ち上がりこそ重くなってしまったものの、大元(環3)が攻守に渡り奮闘。終わってみれば92―61と札幌大を完全に圧倒した。

試合は札幌大ペースで幕を開けた。慶大は攻撃が噛み合わず、苦しい時間を強いられる。しかし大元や途中出場のサワ(環1)が力強いプレイで流れを引き込み、46―28と18点のリードを奪って前半を終える。

このまま突き放したい慶大だったが、第3Qに入ると勢いが失速。点差が徐々に縮まっていく。だが、ここでも大元が魅せた。スティールから速攻を繰り出し、縮まった点差を元に戻す。最終Qもそのまま慶大ペースでゲームが進み、92―61と圧倒的大差で慶大がベスト16へと駒を進めた。

【法大戦】先月26日 ○72ー60 雪辱果たしベスト8進出

全日本大学バスケットボール選手権大会の2回戦は、1部リーグの順位決定戦で敗れた法大との一戦。雪辱を果たすべく挑んだ慶大は、序盤から積極的なプレーでリードし、72―60で勝利した。

試合序盤から慶大は、チーム全体で積極的なプレーを意識し、大元(環3)や権田(法4)を中心にリードを奪う。15―11で第1Qを先行すると、第2Qも落ち着いた攻撃でリードを広げ、35―24で前半を終える。

後半に入り、立ち上がりで試合を決めたい慶大は、13点まで差を広げるも、譲らない法大を抑えきれず、第3Qを50―41で終える。

第4Qに入ると、慶大はミスが目立ち始め、一時3点差まで詰め寄られる。しかし、この試合20点を挙げた大元が落ち着いてシュートを沈め、再び点差を拡げる。最後は権田のバスケットカウントで勝負を決め、72―60で法大を退けた。この勝利で慶大はベスト8への選出を決め、1月のオールジャパンの出場権も手にした。

【大東大戦】先月28日 ●65―70 リード守れず逆転負け

ベスト4をかけた準々決勝は大東大との対戦。強豪青学大を倒し波に乗る大東大に対し、慶大は序盤からリードを奪う。しかし、第4Q終了間際に逆転された慶大は、落ち着きを失い、そのまま65―70で敗れた。

試合は第1Qから慶大ペース。主将伊藤(環4)がこのQだけで2本の3Pシュートを沈め、20―14とリードする。第2Qに入ると、お互いリズムをつかめない展開が続く。一時は大東大ペースになるかと思われたが、大元(環3)の3Pシュートとバスケットカウントで4点プレイをものにし、32―27で前半を終える。

後半、大東大の猛攻に対し、後手に回る慶大。しかし同点に追いつかれても落ち着いて相手のファウルを誘い、フリースローで得点を重ねる。第3Qを51―44で終え、勝負の最終Qへ。このQも相手ペースに乗せられる慶大。粘りの攻守で踏みとどまるも最後の最後で大東大にリードを許すと、そのまま65―70で試合終了。「40分間で勝つ戦い方が出来なかった」と試合後に主将伊藤が語ったように、終了間際での勝負強さに欠けた慶大。悔しさの残る敗戦となった。

【国士大戦】先月29日 ●60ー62 大量リードも大逆転で敗北

インカレ5位を目指して国士大との順位決定戦に臨んだ慶大。試合は慶大ペースで進み、大量リードを奪う。しかし試合終了2分前に大逆転を許し、60―62で惜敗した。

開始5分で3本の3Pシュートを沈めた大元(環3)を筆頭に、序盤から慶大の得点力が爆発する。西戸(環2)の4点プレイも飛び出し、27―13と絶好調で第1Qを終える。第2Qは失速を見せたが、同時に国士大にも得点を許さず、36―18とリードを広げる。

流れが変わったのは第3Q終盤。国士大のエース原が3Pを量産し、点差が徐々に縮まっていく。最終Qに入り、国士大のプレスに翻弄される。第3Q終了時に16点リードを奪っていたにも関わらず、試合終了2分前に逆転を許してしまい、60―62と国士大の前に惜しくも敗れた。

【近畿大戦】先月30日 ●69ー77 健闘するもあと一歩及ばず

インカレ7位を決める順位決定戦。関西一の強豪、近畿大と対戦した。黒木(環3)、大元(環3)、福元(環3)の主力3人を欠く中、善戦したが、69―77で惜敗しインカレ8位に終わった。

第1Q、立ち上がりから近畿大に圧倒される。伊藤(環4)は安定して得点を重ねたが、13―18で5点を追いかける形になる。第2Qでは吉川(環4)がディフェンス、アシストなど各所でチームに貢献したほか、サワ(環1)がバスケットカウントで活躍し前半を38―30で折り返す。

第3Qでは同点に追いつかれ、一進一退の攻防が続いた。続く第4Qは伊藤、吉川がシュートで健闘したものの69―77で試合終了し、慶大はインカレを8位で終えた。

試合後、キャプテン伊藤は「学生最後の大会で勝てなかったのは本当に残念だが、やりきったので悔いはない」と語った。