人であふれる三田キャンパスの中で、着物を着て勧誘している人がちらほら見られる。落語研究会の会員だ。三田祭中は、毎日10:00~18:00、第一校舎の122教室で寄席をやっている。
戦後から続く伝統的なサークルで、現在は男女合わせて32名で活動している。三田祭での発表は会員全員が参加しており、入学から半年の1年生も一人で舞台をこなす。演目はオリジナルを作ることもあるが、古典をやることが多いそうだ。しかし、古典もそのまま演じるのではなく、現代の感覚や言葉遣いに合わせて工夫をこらしている。
週1回の練習とは思えないほど趣のある素晴らしい語り口だった。練習の成果は、三田祭公演のほか、老人ホームや小学校でも発表しているそうだ。人混みや勧誘で疲れてしまったとき、足を運んで、寄席の世界に浸ってみたらどうだろうか。
(山下菜生)