二〇〇五年度東京六大学野球秋季リーグ戦の全日程が終了した。
法大が対戦校全てから勝ち点をあげる完全優勝という形で、九季ぶり四十一回目の優勝を飾った。一方、二年連続秋季リーグ戦優勝を射程圏内に捉えていた慶大であったが、法大・早大に連敗を喫し、最終的には五位に転落。不満の残るシーズンとなった。
今季限りでの鬼嶋監督の勇退により、来季は新体制でのスタートとなる。来季以降の慶大野球部の活躍に期待がかかる。
法大戦 優勝の可能性途絶える
第一戦 ●
【慶大1ー4法大】
法政を倒して何とか優勝の望みをつなぎたい慶大。試合は序盤から両校先発が粘りの投球をみせ、無得点のまま迎えた五回、遂に試合が動いた。慶大の先発・加藤(環2)が、自らの失策などで一挙3点を献上。その後八回にも1点を奪われ、4点差で迎えた九回。石垣(総3)、杉山(政4)の適時打などでやっと一点を返すも結局チャンスを生かしきれず、4対1で敗れた。
また、慶大は守備面でも精彩を欠き、終わってみれば4失策と課題の多く残る内容となった。
試合後、鬼嶋監督は「完敗だった。力の差、実戦経験の差が出てしまった。今季の法政は強い。明日は切り替えて頑張るしかない」と足早に去って行った。この一敗で慶大は窮地に立たされた。
第二戦 ●
【慶大5ー6法大】
早大戦 有終の美飾れず
第一戦 ●
【慶大2―5早大】
前週の時点で、法大の秋季優勝が決まり、共に優勝のなくなった両校同士の対決。伝統の『早慶戦』、初戦を制したのは早大であった。
慶大は2回に早大の先発・宮本から2点を先制したものの、直後の3回に先発の加藤(環2)が3点を奪われ逆転を許してしまう。早大はその後も小刻みに得点を重ね、慶大を突き放した。
第二戦 ●
【慶大1―4早大】
慶大は、初回に金森宏(環3)のタイムリーで先制するも、直後の一回裏、先発の合田(政4)が早大の先頭打者・上本にソロ本塁打、5番松本に犠飛を許し、逆転される。連投となった加藤(環2)が3回以降踏ん張るも、打線が早大の投手陣の前に沈黙。結局2安打に抑えられ、秋の早慶戦は連敗という結果に終わった。
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今季をもって、鬼嶋監督の勇退が決定した。就任初年度こそ成績が振るわなかったが、昨年は秋季リーグ戦で慶大を見事優勝に導くなど、監督としての腕は確かなものであった。鬼嶋監督自身、早大戦終了後「後悔はないです」と語り、晴れ晴れとした表情を見せた。 また、各選手たちも「本当に感謝しています」(杉山主将)「今の自分は鬼嶋監督がいないとない。本当に大きな存在」(大伴選手)「三年間お世話になりました」(渡辺選手)と語るなど、今季をもって慶大野球部監督の座を退く名将に対して、賛辞を惜しまなかった。