介護問題の解決目指す
理工学部の桂誠一郎准教授は介護などに役立つ医療用ロボットである「ヘルスケアロボット」を開発した。この成果は先月7日から11日にかけて幕張メッセで開かれたCEATEC JAPAN2014で発表された。
このロボットは、介護者の代わりを果たすことを目的として作られた。具体的な仕組みとして、まず医療従事者などがロボットを装着してマッサージなどを行う。そうすることで、動作をロボットに記憶させる。ロボットは記憶したデータをもとに、人と全く同じ動きを再現できる。
最大の特徴は、人の動きを再現する際の正確さにある。桂研究所室ではこれまでも人の動きの再現に関して研究を続けており、今回の開発もその延長線上にある。従来のマッサージチェアなどは、誰に対してもプログラムされた同じ動きしかできなかった。「ヘルスケアロボット」は、相手に応じて的確な部位と力加減で、人の動きを再現する。また、動作をデータ化し保存しておくことで、いつでも、どこでも、同じ動きを再現することもできる。
開発のきっかけには、「高齢化社会による人手不足を解決したい」という思いがあったと桂准教授は言う。ヘルスケアロボットの技術を用いれば、被介護者は病院に行ったり介護者を呼んだりする必要がなくなる。
ロボットの実用化は未定だが、展示会では介護サービスや家電業界など、多方面から声がかかった。桂准教授は「ロボットの開発がさらに進み、高齢化社会の問題を解決することができれば、日本だけではなく今後同じ問題に直面する他国を先導することもできる」と構想を語った。