慶大理工学部が今月17日、創立75周年を迎えた。それに合わせて今月14日には日吉キャンパスで記念式典が開かれ、多数の来賓が訪れた。理工学部では創立75年記念事業として、新たな取り組みが発表されている。(松本菜穂子)
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理工学部創立75年記念式典は先月14日、日吉キャンパス協生館にある藤原博記念ホールで催された。メインの巨大スクリーンには、創立当初から現在までの歴史を振り返る映像が流れ、式典は大歓声と拍手をもって幕開けとなった。
式辞では、青山藤詞郎理工学部長が学部創立の経緯や今までの支援や協力に対する感謝の意を述べるとともに、「皆様のますますご支援とご協力を賜りたく存じます」と今後の協力を呼び掛けた。
続いて清家篤塾長が祝辞を述べ、理工学部の研究成果が大いに社会貢献したことは、今回の記念事業の成功につながったと話した。
さらに来賓祝辞として藤原有三氏が、理工学部前身の藤原工業大学について触れ、学部創立以来の三つのカリキュラムポリシーの継続に期待を寄せた。在校生側からは田脇祐太さん(理2)が代表として挨拶し、来たる創立100周年までの目標として、多岐にわたる学びを今後も継続していくことを挙げ、将来への抱負を力強く語った。
最後には出席者一同と楽友会の塾歌斉唱も行われ、創立75年を祝うと同時にさらなる発展を約束して閉会となった。
慶大の理工学部は、1939年藤原銀次郎氏と当時の塾長である小泉信三氏の尽力によって、藤原工業大学として創立した。藤原氏の没後、1944年には本校に寄与されたという経緯がある。その後、1970年に矢上キャンパスが作られて今に至る。
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基礎学問研究を強化 記念プログラムを発表
理工学部創立75年記念事業の一環として、KiPAS(慶應義塾基礎科学・基礎工学インスティテュート)の設立が発表された。このプログラムでは、基礎学問的な研究分野において同学部の専任教員の中から4人の研究員を選抜。これらの教員に対して今後5年間にわたり、研究に専念できる環境を提供することで、世界トップレベルの研究者拠点を作ることが狙いだ。
具体的には、研究を補助する結城研究員の採用、研究スペースの無償貸与、学部・大学院における役職と学科教育の負担を減らす措置を受けられる。
またKIF(慶應義塾イノベーションファウンダリー)の設立も記念事業のうちのひとつだ。産学連携のもとで、人材の交流と共同の研究開発を行うことが予定されている。