さらなる飛躍を誓う
慶大のバドミントン部女子が、関東大学バドミントン春季リーグにおいて3部から2部に昇格した。これは29年ぶりの快挙である。リーグ昇格までにはどのような努力があったのだろうか。高瀬秀穂主将(文3)、関衿沙主務・マネージャー(経4)に話を伺った。
3部の4位となった去年の秋。2部まであと一歩だった。全員が「勝ちたい」という気持ちでひとつになり、練習方法を変えてさらに努力を積んだ。「走り込みと打ち込みで体力面を大きく向上させ、量をこなして自信をつけることも意識した」と高瀬さん。特に走り込みについては「陸上部」の異名を取るほどの距離を走る。関さんはその効果について「試合で最後まで競ったときの粘り強さとして生きる」と語る。
自らの役職を務める上で、高瀬さんは部員一人ひとりに細やかに気を配り、自ら手本となることを心掛ける。練習でも誰よりも早く準備をする。関さんは「選手が最大限試合に集中できるよう、選手以上に頑張る」と決めている。マネージャーのその努力は見えにくいこともある。しかし、常にチームに貢献する気持ちを忘れず、積極的にコミュニケーションを取り、自分がいるから頑張れると言ってもらいたいという。
また、加藤幸司監督による「勉強会」がある。体の使い方や思考面についての講義の場だ。「加藤監督は一日中私たちのことを考えてくださる方」と高瀬さんは話す。部員と監督との距離も近く、マネージャーの関さんも部の方針に関わることは必ず共有するという。
彼女たちがこれほどまでに打ち込むバドミントンには、どのような魅力があるのか。高瀬さんは「テンポの良いスピード感の中で常に駆け引きが行われているところ」。また「戦い方に強く個性が出て、奥が深い」と関さん。二人とも多様な戦術に面白さを見出す。
最後に、2部リーグ戦に向けての意気込みを高瀬さんに伺った。「戦うべき相手は分かっている。全ての試合に『勝たなければいけない』という意識で臨み、格上とされるチームにも食らいついて、2部優勝を目指したい」。
悲願を成し遂げ勢い付くバドミントン部女子。彼女たちは次なる目標をさっそく見据えている。 (成田沙季)