入学から慶大バスケ部のスタメンに名を連ね、昨年までバスケ部を指揮した佐々木前HCや今季から指揮を執る阪口HCからの信頼も厚い黒木亮選手。昨季もリーグ戦全試合にスタメンとして出場し、慶應のゴール下を守ってきた。
彼の持ち味はリバウンドだ。身長に加えてジャンプ力は抜群で毎試合慶大一のリバウンド数を記録する。1年次はチームの不振から思うようにプレーできていない印象だったが、2年生となり迎えた昨季から自信をつけた。身長を運動量で補うというスタンスを取っていたチームの中で、一人インサイドの選手としてスタメンを張り、堅実なプレーでチームの一部昇格を後押しした。
今年度から上級学年の3年生としてチームを引っ張る立場に変わった。「コミュニケーションを取る」ことを心がけ、3年生としての自覚も芽生えた。
昨季から変わったという点ではミドルシュートを挙げたい。黒木選手自身も「中間距離のシュートは好き」だと言うが、昨季まで試合ではリバウンドに対してミドルシュートの印象は薄かった。しかし、今季からミドルシュートも武器として機能している。さらに彼自身はまだそれを未熟だと語る。「シュートチェックに対して一歩でもドライヴを入れる」など攻撃の幅を広げたいと語ってくれた。
今季もスタメンに定着し、安定した攻守を見せている黒木選手。阪口HCからも「試合で頑張るのは当たり前」と、練習から引っ張ることを期待される。「絶対にファウルをするな」という同HCからの指示は大きな期待の表れだろう。早慶戦を残し、春の結果は好成績を残せていない慶大だが、昨季も秋のリーグ戦から伸びた。チームとして安定感は欠くものの、黒木選手がいれば、慶大のゴール下は向こう2年間は安泰だ。
(中澤元)