多様な人材の募集が狙い
総合政策学部および環境情報学部が2015年4月入学試験よりAO入試に国際バカロレア(IB)資格取得者または資格取得見込者を対象とした方式(IB方式)を導入することを今年4月、発表した。IB資格とは、1968年に国際バカロレア機構が立ち上げた世界共通の大学入学資格である。
IB方式の導入により、国内や海外のインターナショナルスクールなど、IBプログラム導入校からの入学希望者が増えることが想定される。SFCアドミッションズ・オフィス主任の西原裕貴氏は「IBのカリキュラムを経験した人が持つ、日本のカリキュラムで勉強してきた人とは異なる発想や思考が刺激になる」と話す。
2018年までに国内のIB認定校を200校に増やすという昨年6月の閣議決定を受け、SFCではIB方式導入に向け議論が始まった。SFCがグローバルな人材を重視していることをアピールするのも狙いの一つだ。また、大学側が入試方式の一つとしてIB方式を採用することで、高校でのIBプログラム導入の促進が期待される。
SFCがAO入試を導入したのは1990年であった。これは日本で初めての試みであり、知識偏重の大学入試とは異なる視点でSFCはこれまでも受験者を評価してきた。AO入試による入学者はSFCの学生の約3割を占めている。西原氏は「彼らは大学での学びに対し明確なビジョンを持ち互いに刺激し合っている。IB方式の導入により、さらに多様な価値観の人材が集まることを期待したい」と述べた。