資料の扱い方を間違わないために
慌ただしかった4月が過ぎ、授業にも慣れてきた5月。そろそろレポート課題が出され始める頃でもある。書き方に悩む人も多いだろうが、レポートにおいて不可欠なのは他人の意見、つまり書籍や雑誌論文に触れ、それを用いること。自分の考えを述べるだけでは独りよがりで、説得力を欠くものになってしまうからだ。
しかし、引用を行う際には注意が必要だ。正しい方法で引用を行わなければ、盗用や剽窃となり、不正行為とされてしまう場合もある。そこで、資料の使い方、特に、正しい引用の仕方などについて日吉メディアセンターでお話を伺った。
「引用の仕方には、文章を一字一句変えずにそのまま引用する場合と、もともとの意味を変えずに自分の言葉に置き換えて引用する場合があります。いずれの場合にも、引用元を必ず明記してください。引用元を示さずにあたかも自分で考えたかのように示すことは厳禁です」と話すのは市古みどり事務長。
具体的には、引用した部分を「」でくくり(長い場合は前後を1行空け、引用部分をひとかたまりにする)自らの文章と区別する必要がある。
困ったらメディアセンターに相談を
日吉メディアセンターでは教養研究センターと連携し、レポートに関するさまざまな疑問に応える学習相談員を1階のスタディ・サポートに置いている。メディアセンターではこのほか、学習相談員によるレポートの書き方に関する講習会や図書館員によるデータベースの利用法といったセミナーを随時開催している。
図書館とレポートという組み合わせは意外かもしれないが、「レポートの書き方や資料の探し方などについて、ぜひ気軽に相談してください」と杉真梨子さんは話す。
レポートの書き方に慣れないうちはどのような書籍を選び、どの部分を引用すればよいのかと悩むことも多い。学習相談員の元にも同様の質問が多く寄せられるという。これに対して「普段から多くの物を読み聞きして欲しい」と酒見佳世さんは話す。インプットする量を増やすことで、自然と書籍を参照し、利用する力を養えられるのだそうだ。
レポート作成は、提出日直前になって慌てがちなものだが、普段から文章を読む力や、問題を見つける目を養うことが必要なのかもしれない。 (榊原里帆)