日吉の塾生会館1階には、トレーニングルームがある。平日の開館時間は朝10時半から夜の8時。男性1人と女性2人、計3人のトレーナーが働いている。ダンサーのトレーニングを担当していたトレーナーもおり、経験豊富なトレーナーが揃っている。
そのうちの一人、舟橋さんは今年で塾生会館でのトレーナー歴6年目になる。トレーニングルームには毎週3日ほど出勤しており、NATA(全米アスレティックトレーナーズ協会)が認定するアスレティックトレーナーの資格を取得している。
アスレティックトレーナーは、例えばサッカーの試合中ケガ人が出た際、救急箱を持って現れるヘルパーのように、受傷時の応急手当とリハビリテーションなどを専門にスポーツ現場で活躍している人のことだ。舟橋さんはこの資格をアメリカに留学し、取得したという。日吉トレーニングルームの仕事には、塾生が危険なトレーニングをしていないかなどの安全管理やトレーニングに関するアドバイスをすることがある。舟橋さんは資格を活かして、塾生の指導に励んでいる。
彼女にとって塾生会館でのトレーナーという仕事のやりがいは、「保健室の先生のような距離間」で塾生を指導し、その成果を見ることが出来ることころ。指導だけに限らず、恋愛相談といったたくさんの相談を舟橋さんは受けるという。舟橋さんは、トレーニングルームで働き始めた当初、塾生が変に理屈ぽかったり、聞き耳をたててくれなかったらどうしようかと心配していたそうだ。しかし今の塾生の印象を伺うと、「シャイだなと思います。むしろわからないことがあればどんどん聞いてほしいです。でも一度聞くと、自分のアドバイスを早く理解してくれるので、とてもやりやすいです」と答えてくれた。しかしその反面、掲示物をあまり読まず、開館日時を間違えて来る塾生が多いことにはびっくりしているという。
トレーニングルームには部活やサークルに所属したりせず、ただ単に体を鍛えたいという男子から、ダイエットをしたいという女子まで、目的の異なる塾生が訪れている。そして教員や職員、留学生も多い。度々トレーニングルームが留学生で埋まることがあり、一瞬どこの国なのか疑問に思うこともあるという。しかし舟橋さんは英語も堪能なので、「留学生との応対もばっちりです」と笑顔で話してくれた。
1回200円で利用できるトレーニングルーム。2000円で月間パスを購入できるほか、シャワーだけの利用も可能だ。「試験期間中のストレス発散にも丁度いいと思います。とにかく気軽に来てほしいです!」という塾生へのメッセージを舟橋さんは残してくれた。今日も塾生の健康を第一に考え、塾生会館のトレーナーは指導し続ける。 (藤浦理緒)