2004年に出会ってから10年目になるYUKAさんと柾さん。2014年1月29日にはアルバム『LOVE before we DIE』を発売し、「死ぬ前に聴きたい音楽を創る」という新たなコンセプトにも挑戦した。ここでは10年目を迎えた二人の心境をお訊きした。
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*お二人が出会ってから今年で10年。この間、関係性はどのように変化してきましたか。
YUKA やっと仲良くなれたなあという感じ(笑)。出会ったばかりのころはお互いに未熟で、ぶつかることもよくあった。今はフラットな状態で話し合えるようになりましたね。10年間向き合い続けてきたからこそ、二人でやることが楽しいと思える。音楽やスタッフさん、ファンの人たちに対する愛情は10年かけてどんどん深くなっていったし、その分メンバーである柾君への愛情も大きくなったということだと思う。前に進んできたなと思います。
柾 二人でいろいろなことにぶつかる中で少しずつ成長したと思います。最初の頃よりもお互いに思いやることができるようになったよね。
YUKA 最初は二人とも思いやることが苦手だったと思う。それでも人のことを大切にする、つながりを大事にするということを忘れないで、やっとフラットな関係になったのが今。人間って時間かかるなあって(笑)。
*1月に発売されたアルバム『LOVE before we DIE』のコンセプトはどのようにして生まれたのですか。
YUKA 生きていくということは同時に死を意識することでもあると感じました。「死ぬ前」というのは強すぎるという意見もあったけれど、死ぬ前に何かを全力で愛したい、生きたいという思いを形にしたかった。子どものころから28歳が自分にとって大きな歳になると思っていたんです。理屈ではなく感覚として。だからこそ、28歳の今、このテーマに取り組みました。
柾 全体のコンセプトはYUKAちゃんが考えることが多いです。彼女が表現したいならそうしようという感じで否定することはないです。最初はこのテーマにびっくりしたけれど、ネガティブではなくポジティブな考えに基づくものだったからすんなりできました。
*今までとは違い、今回のアルバムでは詞からも歌声からも生命力や力強さといったものを感じましたが、いかがでしょうか。
YUKA 曲によって全然違う主人公がいます。世の中の人に届くmoumoonのイメージはその中の一部。無理してほかの部分を見せるのではなく「いつか曲に登場させよう」と思って大事にとってきました。このアルバムは自由に作らせてもらいました。
*お二人のモットーはありますか。
YUKA 「自分に正直であること」。これは人生にも音楽活動にも共通して言えることです。成し遂げたことについて自信を持って「すごくいい」と思えるようにしたい。
柾 常にできているかはわからないけれど、「人とのつながり、感謝の気持ちを忘れないこと」。自分のことでいっぱいいっぱいになってしまうときも忘れないようにしたいです。
*これからの展望をお願いします。
YUKA 変わらず、楽しいと思うことを音楽で表現し続けていきたいです。去年、海外で初めてライブをした際、言葉が通じない場所でのコミュニケーションから表現者として大きなものを得ることができた。伝え方の幅を広げて、海外でも活躍できるアーティストを目指していきたいです。
柾 余計なことは考えずに、自分たちの納得できる音楽を作り続けていきたい。自分たちの曲を聞いてくれる人がいるということが一番だと思う。その気持ちを大事にしてこれからも活動していきたいです。
*ありがとうございました。 (浦野志都)