「献血にご協力お願いします!」
3月1日〜4月30日に実施された春の献血キャンペーンの間、こんな呼び掛けをキャンパス内でも耳にした人も多いはずだ。そして、そんな呼び掛けを聞き流すかのように、献血会場の前を素通りしてしまった人もいることだろう。
今、血液が不足している。しかし、そのことに対して危機感を感じている人は多くはない。自分自身が交通事故などで、血液を必要とする事態に直面しうるというにも関わらず、である。
そうは言いつつ、堅苦しいイメージが先行する献血ルーム。注射が苦手で、どうしても敬遠してしまうという人もいるだろう。だが、その献血ルームのサービスの充実さを、あなたは知っているだろうか。今回、我々は実際に献血ルームに赴き、献血を兼ねてルーム内部に潜入取材を行った。
弊紙調査員が訪れたのは都内にある2つの献血ルーム。まずは身分証明書を片手に受付へ。問診表に過去の病歴等を記入し、医師による問診を受ける。続いて行われるのは血液の成分検査。このときの検査では、血液中の各成分量が規定の基準を満たす必要がある。そして、次はいよいよ採血だ。針を刺してもらうときの痛みには個人差があるが、それさえ乗り越えてしまえば200または400ml献血(いずれも血液中の全成分を対象とする献血)の場合は15分程度で終了。採血された自分の血液が、必要としている誰かの元に届くことを願いつつ、医療機関の専門家たちにその先を託す。ここでようやく、献血ルームのサービスを満喫する資格を得られるのだ。
採血後、清潔感溢れる休憩室に入ったら、まずは無料ドリンクコーナーで十分に水分補給をしよう。ドーナッツなどで腹ごしらえをしてもいいだろう。ただし、一人あたりで食べられる個数が決まっている場合もあるので注意が必要だ。血糖値を気遣って食べることも忘れてはいけない。さらに、献血後に車を運転をする予定の人は、採血から30分以上の時間空けてからにしたほうが良いという。豊富にそろう漫画や雑誌に読み耽ったり、マッサージチェアーを利用すれば、十分にくつろいだ時間を過ごせる。成分献血(特定成分のみを対象とし、赤血球は体内に戻す献血)の場合は45〜90分程度の時間が必要とされるため、ゲームやDVDを楽しむことも出来る。
手相占いやカラーコーディネートなどのイベントが開かれる日は、特に友達同士で訪れる人も多いようだ。映画、カラオケ、締めに献血。こんな新しい休日の過ごし方はいかがだろうか。
(谷田貝友貴)