独自技術で事業を拡大
昨年12月、慶大発のベンチャー企業、「株式会社ブイキューブ」(東京都目黒区)と「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社」(山形県鶴岡市)が、それぞれ10日と24日に東京証券取引所マザーズ市場へ新規上場した。
「株式会社ブイキューブ」は当時、慶大の学生が中心となって設立したベンチャー企業である。ビジュアルコミュニケーション技術(遠隔地情報産業技術)を応用したサービスの提供や開発、運用を行う。
主にウェブ会議やウェブセミナーなど、ビジネス運営を円滑にするサービスを提供している。ウェブ会議の国内市場において、同社のサービスが6年連続トップシェアをとるなど、同産業分野では先駆的存在だ。
また、「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社」は、慶大先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)のメタボローム(細胞内の代謝物質)解析技術を活用した、バイオベンチャー企業。
主軸事業としてメタボローム解析試験の受託サービスを提供している。製薬や医療、化学や食品など諸分野で研究支援を行うほか、うつ病性障害の診断薬開発も進めるなど、近年、科学研究の諸分野から注目される。
慶大研究連携推進本部の知的資産部門は、知財を企業に供与するなど、ベンチャー企業設立のための支援活動を行っている。慶大発のベンチャー企業が上場するのは今回が初。
今回の上場をうけて、株式会社ブイキューブは、「慶大発の企業としての誇りを胸に、アジアナンバーワンのビジュアルコミュニケーション企業を目指して邁進していきたい」とコメントした。
また同じく上場したヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社は「上場により、海外展開やうつ病診断薬開発の資金を調達できた。今後とも研究開発を進め、事業拡大を目指したい」としている。