「氷上の格闘技」
他の体育会がオフシーズンの中、シーズン真っ最中の部活がある。スケート部ホッケー部門、つまりアイスホッケーだ。アイスホッケーと聞いて、昔やっていたテレビドラマを思い出す方もいるだろう。今回は冷たい氷の上で熱いプレーを見せる主将の真鍋翔太選手(環4)にお話を伺った。
「練習や試合は基本的に深夜」と語る真鍋選手。氷の上での練習はいつも夜中の十二時近いという。「深夜に始まり終わるのが朝なので、一限のある日はかなりつらいです」と真鍋選手は苦笑した。
練習場所はキャンパスから離れたスケートリンクだ。スティックや防具などの大荷物を抱えての移動は難しいので、車での移動が多い。選手同士で乗り合っているそうだ。
氷の上だけが練習場所ではない。アイスホッケーは「氷上の格闘技」と呼ばれるように、選手同士のボディコンタクトが激しいのが特徴的だ。そのため昼間は日吉や下田でウエイトトレーニングを行い、基礎体力をつけている。「体調管理が大事」と真鍋選手は述べた。
現在、慶大は1部リーグでプレーしている。強豪ひしめく中、技術で劣る面が多く、攻められる時間が長いという。「特に早稲田はスポーツ推薦者が多く、圧倒される部分がある」ため、守ってばかりだったが数少ないチャンスをものにして早稲田に勝てた時は嬉しく、また印象的だったそうだ。
チームスローガンに「ALL OUT」を掲げ、守りからチャンスを確実に決めるというゲームメイクを中心に練習している。技術をどう補うかを考え、60分の試合時間の中でいかに隙を見せず全力でプレーするか。真鍋選手は「厳しくも楽しく、練習から全力でやるというのが信条」と語る。
最後に真鍋選手は塾生に向けて「迫力があって、飽きずに楽しめます」と述べた。今月13日には早慶戦が控えている。今後も氷を溶かすような熱いプレーを見せてくれることだろう。 (武智絢子)