攻守に安定感を取り戻す

関東大学サッカーリーグは全日程が終了。慶大は順大戦から流経大戦までの4試合を2勝1分け1敗で終えた。他チームの試合結果次第で2部降格の可能性を残していたが1部残留を決めた。最終成績は7勝2分け13敗の10位。(木下俊亮)

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順大戦 先月2日 ○1-0 我慢の展開 僅差逃げ切る

慶大は勝ち点差4で追う順大と対戦。残留に向け、どちらも負けられない一戦はFW武藤(経3)がゴールを挙げた慶大が順大を1―0で下し、勝ち点3を手にした。

前半は両チームともに守備への意識が高く、こう着状態が続く。慶大はゴールこそ許さなかったがセットプレーからチャンスを作られるなどペースを握られ、前半を終える。

後半に入っても、順大はセットプレーを用いて慶大ゴールに襲いかかる。しかし、慶大は粘り強い守りで順大に点を与えない。すると後半26分、一瞬の隙を突いてDF溝渕(環1)のスルーパスを受けた武藤が先制点を決める。エースの得点で勢いづいた慶大は主導権を握り、攻勢に転じる。追加点こそ奪えなかったが、そのまま試合は終了。今季初の無失点で勝利を手にした。

国士大戦 先月9日 ●1-2 好機活かせず 痛い敗戦

依然、降格圏の11位に位置する慶大。勝てば残留に大きく近づく試合だったが、惜しくも1―2で敗れた。

開始から国士大のスピードのあるサイド攻撃に苦しめられた慶大。すると前半30分に右サイドを突破され、先制点を与えてしまう。なかなかペースを掴めないまま前半を終える。

点を取るしかない慶大は後半から徐々に国士大を押し込み始める。後半13分にはドリブルで抜け出したMF増田(環3)がPKを獲得。同点に追いつくチャンスを得たが、FW武藤(経3)のシュートはGKに阻まれ、ゴールならず。その後も攻め続け、後半37分には武藤が同点ゴールを挙げたが、前がかりになったところで逆転を許し、敗戦した。

最後まで流れに乗り切れなかった慶大。しかし、「内容にはとても満足のいく試合だった」(須田監督)というように自分たちのサッカーができた試合だった。

東洋大戦 先月17日 ○3-1 快勝収め 降格圏脱出

残留に向けて、残りの2試合を勝つしかない最下位慶大は、同じく降格圏に位置する11位東洋大と対戦。互いに残留を懸けた大一番は慶大が後半に3点を挙げ、3―1で勝利を収めた。

前半は東洋大ペース。細かいパス回しを駆使する東洋大に対し、「動きが硬かった」(須田監督)というように慶大は思うようなディフェンスができない。前半31分にCKから先制を許し、1―0で前半を終える。

しかし、負ければ残留が絶望的となる慶大は後半開始から勝負をかける。FW平戸(法3)、FW武藤(経3)のポストプレーを軸に厚みのある攻撃を展開。徐々に東洋大を押し込み、チャンスを作る。後半9分、コーナーキックから東洋大のオウンゴールで追いつくと、後半19分にも武藤が追加点を挙げ、逆転する。後半22分には、ペナルティエリアでのパス回しから最後はMF増田(環3)がダメ押しの3点目を決める。終盤に東洋大の猛攻に遭うが、粘り強く守りきり、そのまま試合終了。勝ち点22の10位で降格圏を抜け出した。

今節の勝利により、残留争いで優位にたった慶大。主将のMF松下(総4)は、「来週勝って自分たちの手で残留を決めたい」と語った。

流経大戦 先月23 △2-2 引き分けるも 残留決める

勝てば自力での残留が決まる最終節。流経大と対戦した慶大は2―2の引き分けに終わったが、日体大と東洋大の2部降格が決定したため、10位で1部残留を決めた。

前半から慶大はサイドバックが積極的に攻め上がり、流経大を押し込んでいく。前半5分にDF保田(法3)のクロスにMF松下(総4)が合わせてゴール。先制点を挙げ勢いに乗った慶大はさらに攻勢を強めていく。流経大ゴールを脅かすが、追加点は決められず試合を折り返す。

後半、流経大は温存していた主力を投入。すると徐々に形勢は逆転し、後半19分に慶大は同点に追いつかれる。後半29分にはPKを献上。これを決められ、ついに逆転を許す。しかし、慶大は後半33分にMF端山(総2)のロングパスを受けたMF増田(環3)が同点ゴールを決め、すぐに試合を振り出しに戻す。勝って残留を決めたい慶大は逆転を狙ったが、そのまま2―2で試合は終了。リーグ戦を勝利で締めくくることはできなかった。

他大の試合結果を受け残留を決めた慶大。主将の松下は「本当に苦しいシーズンだった。後輩たちになんとか1部の舞台を残せてホッとしている」と今季を振り返った。