みなさんはレーシック手術を知っているだろうか。軽く耳にしたことはある程度で、詳しくは知らない人が多いのではないだろうか。
レーシック手術とは、正式名称レーザー角膜屈折矯正手術の一般名称である。10分の手術で視力を回復させるという画期的な技術だ。目の視力が低下した患者にはこれまで広くコンタクトレンズと眼鏡の使用が処方されていたが、手術を受ければどちらも不必要となる。日本では2000年から導入されており、レーシック専門の眼科も増えてきている。
費用の面で考えると、必ずしも安い手術とはいえない。手術費用は自由診療のため、各医院によって開きがあるが、両眼で最低15万円は見込んでおきたい。
2週間使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズ両眼600円の場合、1年でおよそ1万5000円弱かかる。手術費はコンタクトレンズ10年分だが、これを高いと取るか安いと取るかはあなた次第だろう。
今回、レーシック手術体験者としてインタビューに答えてくれたのは成城大学1年の中川和美さん。
中川さんがレーシック手術を知ったのは、夜、家族で見ていたテレビ番組。その番組に感銘を受けた彼女は早速両親の承諾を取り付け、眼科を予約した。
手術の前に3回ほど通院し、事前検査を受け手術に臨んだ。麻酔は点眼薬のみで、恐怖は全く感じなかった。
術後すぐは太陽の光がまぶしくて目が開けられない状態であったが、入院なしで即日帰宅。結果としては、1週間後の検査で左眼1・5、右眼1・2の視力を得た。術前は左右ともに0・06であった。
その後、親戚の叔母にも中川さん自らが勧め、叔母もまたレーシック手術を受けた。彼女自身、小学校5年生の時から付き合ってきた眼鏡と離れられたことがしみじみ嬉しかった。だから叔母にも勧めたのだという。
彼女は大学の部活動でヨットをしており、眼鏡なしで視力が得られている現在は、眼鏡を気にせず楽しく活動できているという。「本当に手術をしてよかった」と晴れ晴れとした笑顔で語っていた。
ところで、レーシック手術に問題はないのだろうか。術後、気になる点を聞いてみたところ、夜間は信号が見にくい事などをあげていた。感覚としては光が見えすぎてぼやける感じがするらしい。
これはハロ・グレアという症状で、レーシックの術後、一過的あるいは継続的に見られるものだ。術後、患者によく見られる症状である。医師との事前カウンセリングで納得がいくまで説明を受けたい。
また「患者の瞳がどう変化していくのか不明瞭」という問題もある。新しい技術であるため、患者の長期的な術後データがまだ得られていないのだ。瞳というのは体の一部であり、一生付き合うこととなる。手術の前には十分な検討が必要だろう。(井上由衣)