日本全国のさまざまな病院で、ボランティア活動が行われているのをご存じだろうか。慶應義塾大学病院ボランティアサークルは今年で活動40周年を迎える。
「患者さんから、助かりますなどと声をかけてもらえる時が一番嬉しいひと時です」と話すのは、25年もの間、活動を続けており、現在ボランティア年度リーダーを務める唐﨑三枝子さん。活動中は、常に患者さんの様子に目を配ることを忘れず、目についたことの中で出来そうなことは、出来る限り手伝うようにしているそうだ。
活動の内容は、初診受付、病院内案内などの事務的なものから、入院患者の買い物代行、小児病棟で折り紙を教えるなどまで多岐に渡る。唐﨑さんは「いつもただ同じことをするのではなく、その時の人手や状況に合わせて臨機応変に対応している」と話す。
現在のボランティアへの参加者は30人ほど。年齢層も広く、若者の参加者もいる。また、これまでに多数の大学生が活動に携わってきたという。
病院ボランティアは、医療の専門知識がなくとも、社会や人の役に立ちたいという思いがあれば、活動に参加することは十分可能であるという。むしろ、医療従事者ではない一般人だからこそ、協力できる面もある。
「医師や看護師らは、病気やその治療に向き合うのが仕事である。その一方で、ボランティアは直接には病というものに触れることなく、患者の心と向き合うことができる」と唐﨑さんは語る。 患者さんをそっとサポートし、不安を取り除いたり、少しでも快適な環境を作ったりするのがボランティアの役目だという。
病院内は、医師や看護師ら以外にもボランティアの協力があって成り立っている。このようなボランティア活動に参加してみることや、日常生活の中で病気を持つ方を気遣うことなど、私たちにも何かできることがあるのではないか。(榊原里帆)