東京タワーを望む芝共立キャンパスを学門の場とするのは、薬学部だ。
薬学部は、薬学科と薬科学科で構成されている。基本的には2年生から芝共立で勉強する。 薬学科は6年制で、薬剤師を育成する教育に力を入れている。2年生から薬学実習が始まり、5年生になると、近隣薬局や慶大病院などの病院で2・5カ月ずつの実務実習を行う。
薬科学科は4年制で、主に薬学研究者や教育者を育成している。1学年60人と少数精鋭であるため、密な教育を受けられる。
2つのキャンパスを移動しつつ学ぶのが、看護医療学部だ。1、2年生は湘南藤沢キャンパス、3年生は信濃町キャンパス、4年生はその両キャンパスで学習する。
1、2年生は、藤沢市近辺の病院や医療福祉施設を実習施設として利用している。3年生は、慶大病院や精神科施設で実習を行う。朝が早く、実習後は翌日のケア・プランを考えなくてはならないため、自己管理が大切だ。4年生は在宅看護に関わる実習を行う。
信濃町キャンパスでは、医学部生が学んでいる。1年生は日吉キャンパスで医学に関する基礎を学ぶ。また、夏休みには1週間ほど老人医療施設やリハビリテーション施設などで実習を行う。
2年生からは信濃町に移り慶大病院の医師から専門科目を学ぶ。そして秋からは本格的な解剖の授業が始まる。米田みずきさん(医2)は、「秋はほとんど解剖の授業がある。解剖の授業があるのが医学部の大きな特徴だ」と語った。現在、医学部はiPadを授業に導入している。解剖時は多くの本を持ち込めないからだ。
5、6年生は、研修医のあとについて臨床実習を行う。直接患者に接することで知識を深めて技術を向上させ、指導力や責任感など、医療関係者に不可欠な能力を養う。 課外活動も充実している。医学部は独自の体育会を持ち、9割以上の学生が何らかの部に所属している。他大の医学部体育会とのつながりが強く、試合や大会を行っている。
勉学と日々の練習に力を尽くすことは、多角的な視点から医師を養成するのに重要な役割を果たしている。 (武智絢子)