10月30日、日吉キャンパス第4校舎J14教室で、理工学部主催による、脳科学者でソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーの茂木健一郎氏の講演会が開催された。この講演会は人間教育講座と呼ばれ、「社会の中でどう生きるか」を主題としている。
茂木氏の専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究している。こうした研究を踏まえ、講演の中で「人生が輝いている人には偶有性が満ちあふれている。偶有性とは人生のノイズ、つまり予想ができないこと。これがあるから人生は楽しい」と述べ、偶有性の価値を説いた。そして学生たちに「人生に変化を持たせ、自分の強みを養い、ネットワークを広げなさい」とエールを送った。
会場には多くの学生が集まり、立ち見の聴講者も出るほどで、茂木氏の話に終始聞き入っていた。質疑応答では様々な質問・相談が寄せられ、茂木氏はこれに丁寧に応じていた。
10月14日、SFC秋祭で、ひろゆきこと西村博之氏のトークライブが開催された。この日は秋祭開催日2日目で、トークライブの主催は塾生150と秋祭実行委員会。ひろゆき氏は、国内最大電子掲示板『2ちゃんねる』の管理人兼株式会社ニワンゴ取締役として有名。プライベートから仕事についての話まで機転の利いたコメントを連発し、会場を大いに沸かせた。
ひろゆき氏はライブ開始予定時刻より30分遅れて登場した。設けられた質問時間の際には、ニートへのメッセージを求められると「ニートが就職する分、失業者が増えるだけ。働く意思のないニートはすねをかじられるだけかじれば良い」と答えていた。「仕事をしていて一番よかった時は」、という質問には「(2ちゃんねるなどのネットサービスについて)自分は何もしていないのに、あたかも自分がやったかのように評価された時」を挙げるなど、独特な感性から繰り出されるユニークなコメントがさえ渡っていた。
10月26日、日吉キャンパス第4校舎J11教室で慶應義塾創立150年塾生スタッフ企画による先導者シリーズ第1弾・池上彰講演会「“お父さん”に聞いてみよう!」が開催された。先導者シリーズは、さまざまな分野で活躍中の“先導者”が講演を行う企画だ。
池上氏は慶應義塾大学経済学部を卒業後、1973年にNHKに入局。報道記者として活躍し「週刊こどもニュース」ではお父さん役として出演した。フリージャーナリストとなった現在、さらに活躍の場を広げている。講演では、初めに池上氏の学生時代から現在までの経緯を話し、その後、複数の国の世界地図を用いて、世界の見方は1つではないということを分かりやすく伝えていた。
会場には400名以上の聴衆が集まり、池上氏の講演に熱心に耳を傾けていた。また、講演後には質疑応答が行われ、学生たちの積極的な質問に対し、池上氏は答えていた。