慶大ラグビー部は、関東大学ラグビー春季大会にて、5戦全勝し昨年に続いてグループリーグで優勝を果たした。石巻市での震災復興戦では、早大に大差で快勝、法大戦では終了間際の逆転劇で勝利した。さらに日体大戦では力の差を見せつけた。守備の面では課題が残るも、秋季の関東大学対抗戦に向け期待できる結果となった。  (樫村拓真・坪﨑駿悟)

早大戦○44―5 追撃許さず早慶戦完勝
関東大学春季大会の初戦は早大と対戦。この試合は震災復興支援の一環として石巻市総合運動公園で開催され、慶大が44ー5で早大に勝利した。
試合開始直後から敵陣でプレーする時間が続き、前半8分には「頼りがいのあるCTB」(FB木原)の右の一角を担うCTB大石(環4)がファーストトライを奪う。その後も2トライを挙げ、17―0の無失点で前半を終える。

宮川を中心に攻撃を展開
後半も慶大はトライ攻勢をかけ、後半9分までに2トライを奪う。しかし中盤に差し掛かると、早大の反撃を食らい、ゴールライン前での攻防が多くなる。そして、粘りの守備も及ばずトライを許してしまう。このまま早大のペースにのまれたくない慶大は、主将のSO宮川(環4)が中心となって反撃を開始。終盤にWTB浦野(政3)が立て続けに2トライを奪い、早大の追撃を許さず43―5で勝利した。
試合後のインタビューで和田監督は「後半のプレーやラインアウトなどに課題はあるが、選手たちが自分たちで声を出してまとまっていた。次につながる良い試合だった」と振り返った。

法大戦○43―38 粘り見せ終盤に逆転劇
前戦の早慶戦で快勝し勢いに乗る慶大は法大と対戦。接戦の末、後半終了間際に逆転トライを決め、43―38で勝利を収めた。
慶大は前半、序盤からミスが目立ち、5分、さらに10分と立て続けに失点を許す。調子を上げ始めた慶大は18分、中央からディフェンスを崩し、WTB服部(総3)が敵陣左を抜け出しトライを決める。さらに24分にNO・8森川、28分に再び服部が得点し逆転に成功する。その直後、中央付近からモールで攻められ最後は自陣左の突破から逆転トライを許し、前半終了間際にも失点し17―24で前半を折り返す。
後半も勢いに乗り切れず10分には慶大ディフェンスが押し込まれトライを許し、直後にPR青木のトライで差を詰めるも20分に再び追加点を許す。
しかし、ここから慶大は怒涛の追い上げを見せる。24分に左から中央へ展開すると、FW小山田がうまく抜け出しトライ。さらに34分、ラインアウトから敵陣左に展開し最後はWTB浦野が決め38―38の同点に追いつく。そして後半終了間際、ゴールライン寸前を徐々に攻め、最後はFW三谷が決死のトライを決め逆転。そのまま試合終了となり接戦をものにした。慶大は春季4連勝し、グループ優勝に一歩近づいた。

日体大戦○53―13 流れ引き寄せグループ優勝
関東大学春季大会の最終戦、慶大は日体大と対戦した。53―13で40点差の勝利を挙げ、春季大会グループBでの優勝を決めた。
試合開始直後、日体大にドロップゴールを決められ出鼻をくじかれると、さらにペナルティゴールで追加点を許してしまう。しかし、CTB佐藤が振り返るように、「焦ることなく安全なプレー」を選択。これが功を奏し徐々に流れを引き寄せ、9分にWTB服部(総3)がファーストトライを奪う。そこから得点を積み重ね、前半を24―6で終える。
後半も開始直後にWTB浦野(政3)がトライを奪い攻勢をかける。しかし、徐々に日体大に盛り返され、自陣でのプレー、ゴールライン目前でのプレーが長くなる。この場面で慶大はタックルを基本とした守備を見せ、1トライを奪われるも、相手の攻撃をしのぎきる。ピンチを脱した慶大はこの後、服部のトライを皮切りにトライを量産し、53―13でノーサイドを迎えた。
相手に1トライしか与えなかったが、主将の宮川は「1トライ与えてしまったことが悔しい」と、守備面での強化を課題にした。