慶大国際センター主催の講演会「これからの世界―日本 そして君たち」が先月13日、三田キャンパス北館ホールで開催され、講師として藤崎一郎氏が登壇した。藤崎氏は長年、外交官として要職を歴任し、2008年から4年間駐米大使として活躍した。

社会が求める学生像を提言
藤崎氏は、自分の考えをまとめ話を圧縮して相手に伝えることを大学生に求められる能力として初めに挙げた。また、学生のうちに読書や旅行を通して経験や知識を取り入れる必要があるという。
さらに語学力を磨く必要性も説いた。英語を聞き取れるようになるために英音声でニュースを聞いて訓練するなど、英語力の向上に励んでほしいと藤崎氏は述べた。学生が留学をしやすいように学校側は環境を整えていくべきであるとも強調した。
加えて、さまざまな角度から物事を考えることも重要だと論じた。中国や北朝鮮などを相手取った昨今の外交問題に関しても、外交白書や報道の言葉をうのみにせずに疑うことを忘れてはならないという。
最後に、大学生活を将来のための土台作りの時間として使うよう学生にアドバイスし、「自分のために時間を使えるのは今しかない」と述べた。
講演の後、藤崎氏は「日本の課題と強さ」という演目でプレゼンテーションを行い、日本の米国からの農産物輸入や日米相互の親近感に関するデータなどを示しながら日米関係を説明した。