「銀行」と聞いても、「アルバイトや仕送りのお金を下ろすのにたまに使うが、詳しいサービスなどはよく知らない」というのがほとんどの学生が抱くイメージであろう。
しかし、銀行側は、学生の顧客を増やそうと、最近さまざまなサービスを展開している。なぜなら、ほとんどの利用者が学生時代から継続して同じ銀行を利用するため、大学生というのは息の長い顧客になりやすいからだ。
メガバンクの一つ「みずほ銀行」も、最近特に学生向けのサービスに力を入れている銀行だ。この銀行は日吉や田町、湘南台、辻堂にも支店をもつため、普段利用している塾生もいるのではないか。
現在みずほ銀行が最も力を入れているのが、「スマホ・タブレット向けのアプリ開発」だ。金融業界の中でも、いち早くアプリの開発に着手し、その機能を充実させてきた。既に100万人を超えるユーザーを抱えており、みずほ銀行の利用者にとっては不可欠な存在となってきている。
いつでも使える手軽さを重視
では、なぜアプリがここまで普及したのだろうか。
まずその開発コンセプトを担当者に聞くと、「窓口に来る機会が少ない若者の利用を想定して開発した」と言う。つまり、利用頻度が少ない若年者層を中心とした顧客をターゲットとしたアプリである。
その上で、「思い立った時にすぐ使える手軽さと感覚的な操作性を重視した」と話す。店舗検索なども視覚的に分かりやすくなっていて、飲み会など出かけ先で急にお金が不足しても、すぐに最寄りのATMを探せる。
なかでも優れているのが、「AR(拡張現実)モード」だ。これはスマホで近辺の風景を撮影すると、その写真上に最寄りの店舗やATMの方向・距離が表示される。これなら見知らぬ土地でも迷うことはないだろう。
その他にもアプリを経由してさまざまなサービスを思量することができる。
その一つが、みずほダイレクトによる窓口業務の代行だ。ほとんどの銀行は窓口が15時で閉まってしまうため、銀行の窓口の利用は、忙しい学生や社会人にはなかなか難しい面もある。そうした人たちの利便性をインターネットバンキングで向上させることが狙いだ。
また、みずほ銀行ではアプリだけではなく、アルバイト代金の受取口座にするとお得な特典が受けられるキャンペーンを展開しており、各大学の近隣にそのポスターも掲示された。
普段、何げなく利用している銀行だが、よく調べてみると多くの便利なサービスが用意されていることに気付く。これを機会に、「銀行との付き合い方」を見直してみてはいかがだろうか。 (斉藤航)