「最近Rってキラキラさがなくなってきたんじゃない?ダラダラ生活送ってるでしょ?」(所長K)
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「確かに五月病引きずってダラダラしてたけど、さえないKにあんなこと言われるとか意味わかんないしー。わたしだって何かに熱中できるとこ見せてやるっ!」と所員Rはとしき、りんちゃん、こぶまきを強引に呼び集めて極秘プロジェクトを開始することにした。
眠たそうな顔で「Rさーん。何するんですか」と、としきが訊くと、「あのねー今から全部で241種類あるコアラのマーチのチョコレート味の絵柄を全部揃えるのぉ!」。青ざめる3人の表情をよそに、Rは検証の準備を始める。生産元の株式会社ロッテ様は、運がよければ10箱で終わるのではとおっしゃっていた。
そこで多めに25箱購入。15時30分より検証開始!しけってしまわないように、小さなチャック付きビニール袋へ種類ごとに入れる。ほぉら、こんなしっかりしたことできるじゃーんと鼻高々だったのは一瞬。絵柄を見てもすぐに分類できない事態が発生。「え、これめんどくさい」との声が聞こえる…。そこで!Rは絵柄の名前をあいうえお順にしたデータベースを作る。図書館・情報学専攻の能力を見せつけたっ!と思っていたのは束の間。「これ何だと思う?」との声。…絵柄を見てもわからない。絵柄から名前が想像しにくいものには無意味なものだった…(泣)。
しばらくするとこぶまきはお帰りに。呆れたんじゃないよね、ね?(苦笑)。3人になり、時がたつにつれますますめんどくさくなる。世間で騒がれている盲腸コアラ(図1)は4個以上見つかり、全くレアでないと感じ始めた18時30分頃。すべて見つかることはなく、40種類程を残して25箱の検証は終わった。
しかし!ここまできて終わるわけにはいかない。Kを見返すためのRの執念は強く、早く帰りたいな…って表情の2人をよそに検証を続行する。残りを見つけるため、スーパーやコンビニでコアラのマーチの大人買い。としきがレジで並んでいる時「どうしてそんなに買うのー?」と小さな子どもに言われたそうだが、これは新聞が発行されるまでの極秘プロジェクトだ。教えてはーならない。
極秘プロジェクトも終盤になりかけた頃…。あっ!「てるてる晴れコアラ!」(図2)見つけたコアラはにこにこと笑いかけていた。これが最後に発見したコアラの絵柄であった。
全種集められず4種類を残したものの、悔いはなかった。約4時間半、¥4868をかけ、53箱1219粒のコアラのマーチとRたちは戦った。あの日、三田キャンパス周辺のお店でコアラのマーチを一気に消失させたことをお詫び申し上げる。集めたものを見せて、さえない編集長にあの言葉を撤回させてやる!と笑顔がニンマリ。
後日、自慢げに写真を見せながら検証の話をするが「すごいねー」と棒読みの一言。検証で使ったコアラのマーチの差し入れを何食わぬ顔でパクパクと食べていく。むしゃくしゃしたRがダラダラ生活を再開してしまったことは言うまでもない…。 (しもりえ)