敗戦続くもプレーに収穫あり
慶大バスケットボール部は先月27日から29日にかけて開かれた京王電鉄杯で、10大学中9位という結果に終わった。Aグループ予選では0勝4敗。A・B両グループの5位が9位を争う順位決定戦では東大に勝利した。 (中澤元・森俊貴)
グループ予選1日目1試合目 青学大戦 ●59-98
京王電鉄杯初日、第1戦は1部の強豪である青学大との対戦。終始相手に圧倒され、59―98と大差で敗戦した。
第1Q、青学大の高さを生かした守備とリバウンドに対抗できず、11―27と押し込まれる。第2Qに入って流れを変えたい慶大だったが青学大のプレーに翻弄され、慶大の攻撃は20点を取った時点で沈黙。前半を20―52で折り返す。
後半、序盤に矢嶋(総4)の連続得点で反撃の狼煙を上げるも、青学大の速攻に対して防戦一方で、第3Qは43―78とさらに点差が開く。最終Qに入り、なんとか攻撃の糸口を見つけたい慶大だったが、大元(環2)の得点なども単発に終わり、リズムを作れない。最後まで慶大ペースに持ち込むことが出来ないまま試合は59―98で敗れ、実力差を見せつけられる結果となった。
予選1日目2試合目 拓大戦 ●81-94
京王電鉄杯初日2試合目、慶大は拓大とぶつかった。高さのある拓大に対して、慶大は速いパス回しからのアウトサイドシュートで攻めたが、81―94で敗れた。
高さで勝てず序盤からリバウンドに苦しむ慶大。スクリーンやパスワークでフリーを作り出し、大元(環2)が3Pシュートを連続で決める。だが一歩及ばず、33―46で前半を折り返す。
後半も、大元や矢嶋(総4)がアウトサイドからシュートを決め続ける。すると拓大のディフェンスが外側に寄り、黒木(環2)や本橋(環4)がインサイドで力を発揮しだす。特に黒木は連続得点し、第3Qだけで18得点という活躍をみせる。だが、チームの身長差の壁は乗り越えられず、81―94で拓大に敗れた。
惜しくもあと一歩及ばず試合には敗れたものの、佐々木HCはポジディブな意見を述べた。「オフェンスにはまだ課題が残るが、ディフェンスの面では試そうと思っていたことが少しは形になった」と語った。
予選2日目1試合目 専大戦 ●78-89
京王電鉄杯2日目、第1戦目は昨季1部リーグ戦得点王の宇都擁する専大との対戦となった。試合は、慶大の課題である終盤に相手の勝負強さから競り負け、78―89で悔しい敗戦となった。
第1Q、前日の敗戦を感じさせない強気なプレーで慶大のリズムを作り、24―15とリードを奪う。第2Qも序盤から権田(法3)の3Pシュートなどで点差を18点に広げる。しかし、ここから慶大は攻撃が停滞し、ターンオーバーなどのミスも重なり、前半を42―41で折り返す。
後半に入り、序盤で逆転を許すも、矢嶋(総4)の個人技や蛯名(法4)の得点で食い下がり、62―64で第3Qを終える。最終Q、再び試合をリードするも、中盤になると勝負強い1部との差を見せつけられる。専大のエース宇都を中心とした得点を止めることが出来ず、10点のビハインドを許したところで万事休す。本橋(環4)の得点もむなしく、78―89と逆転負けを喫した。
予選2日目2試合目 法大戦 ●86-103
京王電鉄杯2日目、第2戦は今季同じ2部リーグを争うライバルの法大との対戦。Aブロックで最下位を回避するべく臨んだものの、終始リードを奪われ、86―103と大差での敗戦となった。
序盤からリバウンドを取られ、相手に速攻を許し、第1Qを26―36とリードされる。第2Qに入り、慶大の持ち味である守備からの速攻で流れを掴む。さらに、大元(環2)の3Pシュートで点差を一けた差に縮め、49―56で前半を終える。
後半に入っても、流れを保ちたい慶大だったが、ディフェンスリバウンドを掴めず、相手のペースに引き込まれ、68―87で最終Qを迎える。最終Qに入っても、終始苦しい展開になす術もなく、86―103で敗れた。
最終日 9位決定戦 東大戦 ○104-53
京王電鉄杯最終日、慶大は東大との順位決定戦となった。一試合を通して攻守ともに噛み合った慶大は104―53の大差で東大を圧倒した。
序盤からオールコートでプレッシャーをかけてスティールを量産、速攻のチャンスを増やす。また、本橋(環4)や黒木(環2)らが身長を活かしてゴール下で活躍し、リバウンドを支配する。ディフェンスから流れを掴んだ慶大はオフェンスでも波に乗って、53―27で前半を折り返す。
後半もなお慶大の勢いは衰えない。速いパス回しで得点の機会を増やし、選手全員が内外からシュートを決めていく。特に第4Qでは平石(環4)や角田(商2)らの活躍がめざましく、100点の大台を超えた試合になった。最後まで東大に思い通りのプレーをさせなかった慶大は104―53で東大に勝利した。
1勝4敗で9位という結果に終わった京王電鉄杯だったが、この大会を振り返って佐々木HCは「オフェンスの連携はまだ練習出来ていないが、チームディフェンスを意識する良い機会になった。次は5月の関東大学バスケットボール選手権大会と6月の早慶戦だが、それまでの課題がはっきりした」と語った。