中国映画を紹介するイベント「日吉電影節2012」(慶應義塾大学文学部極東証券寄付講座「東アジアの伝統と挑戦」主催)が先月4日、日吉キャンパス来往舎シンポジウムスペースで開催された。電影は中国語で映画の意。
第1部で上映されたのは、彭小蓮監督の作品「夏の船―Kids in Shanghai」(2008)。この作品では慶大文学部中国文学専攻の卒業生と大学院生が字幕翻訳を担当している。
第2部では彭監督が登壇し、Q&A形式で講演。上映作品に関して彭監督は、立場の違う子どもたちの夏休みの様子を通して上海社会のさまざまな側面を表現したかったとした。格差による貧富の差の拡大や現代の家族社会、近代化による街並みの変化などが劇中で描かれている。
とりわけ格差に関しては国内でも理解が進んでおらず、彭監督自身も取材活動を通じなければ、そこまで痛感していなかったかもしれないという。