今年は慶大が華々しく活躍した一方で、飲酒事故やTwitter炎上など、塾生のモラルが問われる事件も目立った1年となった。学生総合センター長の伊東裕司教授は、過度の飲酒による事故について、「非常に残念で、つらく悲しい。亡くなった学生には冥福を祈っている」と話す。「昔もあった激しい飲みが、なぜ最近になって再び盛んになっているのかは分からない」とした上で、近年は飲酒に対する世間の目が厳しくなり、飲酒事故が顕在化しやすいのではないかと分析した。また、大量の飲酒の危険性について学生の知識が乏しいことも指摘し、学生総合センターでは、過剰飲酒の害などの医学的知識だけでなく、法律に関する情報の告知も今後強化していく予定だという。「一気飲みやコール、未成年飲酒を見ていながら止めない側にも、賠償請求などの法的責任が課される場合がある」。さらに、各団体へ、特に飲酒の機会が多いサークルへは強く個別的に呼びかけを徹底していくという。
インターネット上のトラブルについては、ネット上での自分の発言がモラルに反していないか敏感になり、慎重にネットを利用する必要があるとする。また、社会的に問題になっているスマートフォンのアプリによる個人情報の流出についても、センターは注意喚起をしていく必要を感じている。「どうするとどんな害がもたらされるかについてセンターから告知していく」
「いけない、おかしいと思うことに疑いを持ち、仲間の過ちを指摘できる勇気を持ってほしい。間違ったことを注意し合える仲間関係を学生時代に作ってほしい」と伊東教授はメッセージを送った。
(川井田慧美)