世界初 力覚・触覚の双方向性
理工学部の桂誠一郎准教授が、動作の細やかな力加減をロボットにより忠実に再現する「モーションコピーシステム」の開発に成功した。人間の動作の再現に成功したのは世界初。
実機デモンストレーションを先月2―5日、最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2012」で行った。書道の達人の筆使いを忠実に再現した。
触覚・力覚情報は五感の中で唯一双方向性を有するため、保存・再生が困難だった。「モーションコピーシステム」は動作の保存システムと再現システムの2つのプロセスを経ることで人間の動きの再現を可能にした。
操作者と筆にモータを装着して動きと力加減をデジタル化して記憶。再現は別のシステムで行う。これにより、作用力と反作用力を分離した。動作の再現には加速度制御を用いることで、動きと力加減を再現する。
動作はデジタル情報として保存されるため、「いつでも・どこでも」再現できる。この技術をスキルトレーニングに応用すれば、「勘と経験」に頼っていた熟練技術の伝承を効率良く達成できるようになると期待される。