再発防止 研究倫理見直す
慶應義塾は2008年9月21日に政策・メディア研究科学位を授与した関谷進吾氏が他人の論文を盗作したとし、9月28日に修士学位を取り消した。学位規程第17条「不正の方法による学位の授与を受けた事実の判明」にもとづく措置。関谷氏は盗作を認めている。
関谷氏が学位を取得した論文は「臨海部工業地帯における都市環境基盤の再編成に関する研究―川崎臨海部工業地帯第一層を対象地として―」。これは近代建築6月号別冊卒業制作2005収録作品を盗作したものだった。
日本建築学会が、2006年度設計競技で関谷氏が提出した同論文における盗作を指摘し、慶應義塾は今年5月、調査委員会を設置。8月に報告書を提出した。日本建築学会は同論文の入選を取り消し、掲載を中止している。
同研究科は、盗作は慶應義塾の社会的信頼を著しく傷つける行為で、極めて遺憾とした。関谷氏の事例を分析して、再発防止に努める旨を公表した。また、研究倫理の遵守を再確認することを強く要請した。