国士舘大との熱戦を終え、順天堂大との試合。前週の国士舘大との戦いは初戦から延長戦にもつれ込む接戦となったため、順天堂大との試合にもそれなりの不安もあった。同時に、今回こそ慶大らしい速攻のプレイを見られるのではないかという期待もあった。
試合開始直後から、♯10小林(3年・福大大濠)が続けて3Pも含めポイント決め、慶大にいい流れを作った。
次々とポイントを決めたことについて、♯10小林。「あまり良いとは思わないんですけど、先生からは出だしから行けといわれていたので、積極的にシュートは打っていきました。それは良い結果を得られたのかなと思いました」
続けて♯7岩下(2年・芝)もダンクシュートを決め、会場は盛り上がりを見せた。一方で、順天堂大は3Pで攻めようとするが、なかなかシュートが決まらなかった。点差が20点を超え、慶大優勢の流れになった頃、1年生も含め控えの選手たちが続々と登場した。♯9神田(3年・慶應義塾)、♯11店橋(3年・長岡)らガード陣が活躍した。
佐々木ヘッドコーチ(HC)は、この2人を起用したことについてこう語ってくれた。
「神田は一生懸命練習はやってくれているから、来年、4年になった時にどういうポジションで使うかは分からないけど、後は試合で活躍できなくても何とか頑張ってもらえたら。店橋は、もしかして二ノ宮がダメな時のために酒井なんだけど、それもだめになるかもしれないし、同じポジションだから店橋を出すと二ノ宮が楽になることがあるんです」
この日の試合は、主力メンバーが倒れてしまったときのために、控えの選手がしっかりと動けるようにするための練習の場でもあった。普段、出場機会の少ない選手たちに経験をつませる良い機会という意味でも、チームの力を強くしていくための大事な試合であったといえるだろう。
翌14日に行われた試合は、前日とはうってかわり慶大は危機的状況に陥ることになる。前日に、佐々木HCがダブルスコアを狙っていると話していたので、それなりの期待をして試合を観戦していた。しかし、この日の前半戦は、試合ペースを順天堂大に握られていた。慶大は入りが悪く、ファールトラブルにも悩まされる。一時は100点ゲームにもっていくことも難しいのではないかという不安もあった。しかし、後半は相手のプレイに乱れがあったことと、積極的にリバウンドをとりにいったことが得点につながり、29点差をつけて勝利した。
この日の試合で♯7岩下が右手を負傷したが、その代役として♯23原田(1年・岡崎城西)を起用しなかった。
「まだ原田にはやらなきゃいけないことはいっぱいある。積極的にはなってるけど、まだボールを掴めないのがね。困るね。ボールをしっかり掴むこと、それから意欲的に次のプレーに向かっていく姿勢が、彼には大きく不足している。それは期待です」と佐々木HC。
これから先、♯23原田が頑張らなければならない場面が増えるだろう。そういった時に活躍できるような選手に成長してくれることを期待したい。
大きな壁をおさえ、悪条件をいかに乗り越えるかがカギ今週末に控えた白鴎大との試合。白鴎大には、♯33ピーター・ジョン・フィルユンという外国人選手がいる。この外国人選手をいかにとめるかがポイントになるのではないだろうか。また、会場が筑波大学、筑波キャンパスという僻地にあり、選手にとっては悪条件である。この悪条件をいかに乗り越えるかも、試合の運命を左右するだろう。
(2008年9月18日更新)
写真 羽原隆森
取材 羽原隆森、阪本梨紗子、金武幸宏、内田雄輔