激闘の明大戦制すも、法大が優勝

野球部の東京六大学野球秋季リーグ優勝の可能性がなくなった。今月21日の法明戦で法大が6―1で勝利し、法大が7季ぶり44回目の優勝を決めた。

慶大は今月13日からの明大戦で4戦を戦いぬき、2勝1敗1分で勝ち点を奪取。優勝に望みをつないだが、今月27日からの早慶戦を前にして栄冠を逃す結果になった。

明大が法大に2連敗したため3位以上が確定している慶大。現在、早大とともに勝ち点を3としている。早慶戦の勝利校が2位となる。

序盤に法大に2連敗し、勝ち点を落としたことが響いた。

勝ち点を落とせば優勝の可能性が消滅する明大戦は第4戦までもつれ込んだ。第1戦を5―2、第2戦を1―3で1勝1敗のタイとすると、第3戦は12回まで0―0の引き分け。第4戦は1―0とタイトな試合を制して、勝ち点を奪った。

早慶戦展望 勝利の鍵は采配と4年生の存在

先発として独り立ちした白村(中央)に声をかける阿加多捕手と江藤監督

今年度は秋季から登場した白村(商3)が明大第1戦、第3戦、第4戦と先発し合計20回を自責点2、30奪三振の好投を見せ、白村―福谷の必勝リレーが完成しつつある。明大第4戦で8者連続三振を披露した白村の奪三振王はほぼ確実で、気迫のピッチングは見もの。チームとしても直近の明大第4戦で、ルーキーの横尾(総1)のソロ本塁打、9回裏1死二、三塁の一打サヨナラのピンチでのけん制死など攻守がかみ合い、盛り上がっている。

早大は優勝した法大を下すなど、地力は十分。もとより春を制した精神力もある。それでも春季早慶戦では慶大が2勝1敗で勝利。何があるかわからないのが早慶戦だ。

慶大は規定打席に達している野手が全4人。これまで毎試合のようにスタメンを入れ替え、戦ってきた。江藤監督の采配が勝負の鍵を握る。

またラストシーズンとなる竹内大投手(環4)、福谷投手(理4)、山﨑錬主将(商4)の経験も大きな力になる。竹内大は一昨年春の早慶による優勝決定戦で勝利投手となるなど、経験は十分。慶大のエースとして、通算22勝の六大学の雄として早大打線を阻む。山﨑錬も今季はこれまで打率.184と低迷しているが、リーグ3位の8打点と勝負強い打撃は健在。1点を確実に奪う打撃は早大にとって脅威だ。福谷は不動の抑えとして防御率0.47をマーク(規定投球回数には到達していない)。序盤にリードを奪って、福谷にたすきをつなぐことが勝利の方程式だ。

明大第4戦後、殊勲の一打を放った横尾はこう言った。「4年生とともにプレーできる機会がもう少ないので、頑張ってついていきたい」

勝ち点を奪えば2位という明快な条件での早慶戦。他校の動きや点差、勝ち方を気にせず、勝利に向けて両校の意地とプライドがぶつかる試合が期待できる。