リーグ後半戦に入ってから勝ち星のなかった慶大だが、明大を相手に日高(総4)の劇的なロスタイム弾で勝利を収めると、続く国士館大戦では5得点と圧倒的な攻撃力を見せつけて快勝。神大戦では逆転負けを喫したが、3試合で9ゴールと課題であった決定力不足が解消され、インカレ出場圏内の3位に浮上した。
(樫村拓真・小林知弘)
【明大戦 日高が2得点 5戦ぶり勝利】
4試合勝利のない中で迎えた明大戦は終了間際に決勝点を決め、2―1で勝利を収めた。
前半、慶大は序盤から積極的なプレーで明大ゴールに迫る。このまま試合は慶大ペースで進むかに思われたが、明大のプレスに苦しみ、0―0で前半を終える。
先制点を奪いたい慶大であったが、後半開始から明大にボールをキープされる時間帯が続く。そんな中、FW大塚(総4)が放ったシュートのこぼれ球を、MF日高(総4)が相手キーパーの頭上を越すロングシュートを放ち先制点を決める。
しかし、後半22分に与えてしまったPKを決められてしまい、同点に追いつかれてしまう。そうした中、後半ロスタイム、右サイドを抜けたMF河井(法4)のパスを日高が中央で受け、シュートを放つ。これがゴール左隅に決まり、慶大の劇的勝利で試合終了となった。
試合後、須田監督は「両チームの意地がぶつかり合った試合を制したことは評価できる。守備面での課題も修正して、混戦のリーグを勝ち抜いていきたい」と話した。
また、2得点の日高は「この試合の為に、どのチームよりもシュート練習をしてきたが、それが結果に出てよかった」と振り返った。
【国士舘大戦 大差で勝利 リーグ2連勝】
明大戦に続き連勝を狙う国士館大戦。試合を通して効果的に得点を重ねた慶大は5―1と大勝した。
序盤から主導権を握った慶大は、セットプレーから前半21分にDF松岡(商3)、23分にはFW大塚(総4)が得点を決める。その後国士館大に1点を返されるも、2―1とリードして前半を折り返す。
後半に入っても勢いが止まらない慶大は、後半8分にMF藤田(政3)のスルーパスにFW風間(商4)が反応し、3点目を挙げる。その4分後の後半12分には、左サイドを突破したMF日高(総4)がゴール右隅にミドルシュートを突き刺し、点差を広げる。
その後、なんとか追い付こうと国士館大は攻勢を強めてくるも、慶大守備陣はしっかりと守り切る。終了間際の後半41分にはMF河井(政4)がFKを直接決め、勝利を決定づける。結局慶大は5―1と4点差をつけて国士館大に勝利した。
試合後、河井は「大差で試合に勝ち、連勝もできたことで、チームにとって大きな自信になった。まだまだ上を目指せると思うので、気を緩めることなく次の試合に向けて準備していきたい」と満足げに試合を振り返った。
【神大戦 攻めきれずに逆転負け喫す】
前節国士館大に大勝し、順位を3位にまで上げた慶大。今季初の3連勝を狙う神大戦であったが、2―3と痛い逆転負けを喫した。
試合が動いたのは前半10分。慶大は中盤でこぼれた球を相手FWに拾われ、そのままゴール前に持ち込まれて先制点を与えてしまう。
先制された後には、徐々に流れを掴み始めた慶大。前半18分にはFKのチャンスで、河井(政4)からのトリッキーなパスを藤田(政3)が決め同点に。続く21分には、黄(総4)の左からのクロスを日高(総4)が頭で合わせ、前半で逆転に成功する。
後半逃げ切りたい慶大であったが、開始早々の後半6分、神大にCKを頭で合わされ同点弾を決められる。
ここから試合は神大のラフプレーの目立つ展開に。攻めようとする慶大ではあったが、神大の激しいプレスの前になかなかパスが繋がらなくなる。すると後半24分、またもやCKから頭で決められて神大に逆転を許してしまう。
慶大は最後まで攻め込むも、森田(経3)のシュートがクロスバーに直撃するなど不運が続き、結局神大に2―3の逆転負けを喫した。
須田監督は「相手を見て、戦う姿勢の大切さを感じた。今日は、こっちが良くなかったというより相手が素晴らしかった」と悔しさをにじませながら対戦相手を讃えていた。