3月7日、三田キャンパスで、「2008 国際産学官連携シンポジウム in Keio」が催された。

 今回のシンポジウムは、産業活性化・学術進展のため、大学の技術や研究成果を民間企業へ移転する仲介役となる承認TLO(技術移転機関)の活動を国が支援するTLO法(大学等技術移転促進法)施行から10年を記念したもの。オックスフォード大学、ワシントン大学、AUTM(大学技術マネージャー協会)、企業から産学連携の専門家を迎え、今後の産学連携の展望、課題を中心に議論が進められた。

 TLO法の起源は1995年の科学技術基本法施行に遡る。この法律は日本の科学技術政策に基本的な枠組みを与え、「科学創造立国」を目指して科学技術を強力に振興を推進していく上でのバックボーンとして生み出された。1998年にはTLO法が施行され、それに伴い大学における産学連携や特許業務を専門とするTLO等の設置が続くが、慶應義塾は多くの大学に先駆け、TLO法施行の3カ月後に知的資産センターを設置した。

 それから10年。慶應義塾は企業も含む国内の特許資産第3位の評価を得るに至った。だが現状に満足するのではなく、今後も世界を視野に入れ活動を進めていきたいという意志や期待をシンポジウムで強く感じられた。